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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

街ぐるみの自殺対策〜足立区の試み〜

放送日:2012年02月11日
今日は東京・足立区のある取り組みをTBSラジオ澤田大樹記者が紹介します。
この取り組みには3つの数字が背景にあります。
足立区のこころといのち支援担当課長・馬場優子さんの話です。

「ひとつは1位という数字。これは平成18年区内の自殺者数が23区内でワースト1になっていたという1位。2つ目は1616人。これは平成10年から19年まで自殺で失われた人数が1616人だった。3つ目は72%という数字。自死遺族の聞き取り調査から、72パーセントの方は何らかの相談機関を訪れていたという数値なんです。」

ある取り組みとは自殺対策のことです。
先日も自殺者の数が14年連続で3万人を超えたというニュースがありましたが、23区の中で自殺者が最も多いのが足立区です。
今の馬場さんの話にもありましたが、足立区内で1998年からの10年間で自殺をした人の数、1,616人は1つの町会に相当する数なんです。自殺対策に取り組んでいるNPO「ライフリンク」によりますと自殺する前、7割の人が何らかのSOSを出していた可能性があるというんです。
そこで、足立区は取り組みを始めたということなんです。
具体的にはどんなことを始めたかというと、4年ほど前から始まった対策では、まず足立区の担当部署だけでなく警察やハローワークなどが協力し合う会議を作り、1つの相談場所で一人一人が抱える様々な問題に対応できる「総合相談会」を開きました。
また、さきほど話を紹介した馬場さんが所属する「こころといのち支援担当課」では専従の職員が精神保健の分野をはじめ 組織を横断して動けるようにしました。
そして、「ゲートキーパー」という取り組みを始めました。
「ゲートキーパー」というと、「GKB47」という名称が国会で取り上げられました。
「GKB47」の名称は取り下げられましたけれど、ゲートキーパーにはとても大切な役割があります。

「ゲートキーパーというのは悩みを抱えた人に気づいて、専門の窓口につなぐ役割。命の門番をする役割のある方です。気づいた人がつなげていくことで相談者の負担を減らして早く悩みを解決できるだろうということで、気づく役割のゲートキーパーの育成に努めています」と馬場さんは話します。

「命の門番」がゲートキーパーなんですね。


自殺の原因は失業や借金、病気、介護などさまざまです。そこで相談者の悩みに気づいて、解決への橋渡しをするのがゲートキーパーの役割です。実際の相談は区役所の職員が窓口になることが多いので、足立区ではすべての職員の3人に2人がゲートキーパーの研修を受けるんです。

どんな研修内容かというと、例えば「悩みに気づくための方法」を学んだり「自殺をほのめかされた時の話の聞き方」をロールプレイ=それぞれの立場になって実践してみたりします。研修を受けたあとの感想では「自殺はその人が弱いからではなく悩みからくるもので、防ぐことが出来ることがわかった」という人が多いそうです。

実際に自殺を思いとどまらせた経験のある嘱託職員で中小企業の相談を受けている足立区マッチングクリエーターの森尾浩司さんの話です。

「電話で以来を受けて創業したいということである家庭を訪問した。話を聞いた中でどう考えても融資を受けるには厳しいんじゃないかということで、難しいんじゃないかとお伝えしたんですね。そうするなかで「私は生きていても仕方ないんですかね」という話になって、なんでそんなことを言うのかと思ったが、よく聞くと鬱で長い間通院している。具体的に何をしたかというと、起業をするよりも病気の回復に努めたほうがいいと話した。それでゲートキーパー研修でも聞いたことだが、本人の了解を得て区の担当者と連携して話を伝えたことがあります」

自殺者は年代では50代から60代、中小企業の経営者に多いという話を聞きますよね。

数字で簡単に効果があったとはいえないかも知れませんが足立区の自殺者の数は去年1月から11月は134人で、おととしの同じ期間に比べて39人減っています。同じ期間に都内で自殺で亡くなった方は5%増えたんですが、足立区では20%以上減っていました。足立区では職員のほか、弁護士や司法書士、ハローワークの職員などもゲートキーパーの講習を受けて、相談を受けられる場を広げています。足立区のゲートキーパーの数は現在およそ3000人にのぼります。

自殺を考えてしまうほど苦しいことはあると思いますが、「相談する場」を広げる動きは確実に広がっています。まず、相談する相手を探すことがとても大事でね。

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