担当 山崎景子
人手不足に悩む介護現場の「ある試み」を取材しました。
介護の現場は労働環境や給与面で人が集まらないっていいますよね?
このため「外国人の手を借りよう」という動きがありますが、、
確か、EPA=経済連携協定でフィリピンなどから日本に来て
介護士や看護師の
資格をとろうと人たちがいますが、こうした人たちは、
この4年間で1300人以上、日本に来ましたが
一定期間に試験に合格しないと帰国させられるという厳しい条件があって、
年々減っているのが現状なんです。
そこで、横浜市の特別養護老人ホームの経営者らがつくる
「横浜市・福祉事業経営者会」が
「ある試み」を始めたんです。
事務局長の甘粕ひろしさんの話です。
★神奈川県に住んでいる外国籍の外国人。
外国籍なんですけど、
定住者であったり、永住者であったり、
日本人の配偶者、要するに
在留資格があって日本で働ける人ですね。
条件はね。
それを就業支援に繋げるという事業なんですね。
「日本に住んでいる外国人の手を借りよう」ということなんですね。
日本で働くことが出来る「在留資格」をもっている
「在日外国人」に向けて
介護士の入り口となる2級ヘルパー講習を受けてもらおうという試みなんです。
ある程度「日本語」が話せますから講習は、もちろん日本語での授業です。
先日取材した時は「寝たきりの人の髪を洗う」という実習の最中でした。
生徒は17人で、フィリピン、中国、インドネシア、ベラルーシ、ペルー、韓国など国も様々で、
17人のうち男性は2人でした。
受講する内容も「介護の概論」「食事の介助の実習」など130時間にのぼり、
日本人と同じメニューをこなします。
ただ、介護現場では専門用語を使いますし、記録もきちんと日本語で残します。
ですから「漢字の読み書き」も含めて日本語の補習の講座があります。
生徒2人に話を聞きました。
母親が中国残留孤児で4年前から日本に住んでいる鈴木健二さんと
日本人と17年前に結婚したペルーから来た福澤メリさんの話です。
★★1.専門用語とてもむずかしい。この仕事好きです。やりたいです。
お母さんのため、自分のため、自分の自立のため、頑張ります。
2.お年寄りの方が、周りに多いですね、
それでこれから先は必要ですね、
誰でも役に立つ仕事がしたいな思って、
どこの国も関係ないので、自分のお父さん、お母さんにやっている心でやりたいと思います。
ところで、費用なんですが、、
通常は10万円くらいかかるのですが
この試みは神奈川県の委託事業ということもあり、
無料で受講出来るんです。
この講習は去年から始まり、これまでに60人が卒業して
中には国に帰った人もいるそうですが、
8割が就職出来たそうです。
今後の課題について再び、事務局長の甘粕さんの話です。
★★★一般的に介護一つの所で働くのは、3年なんです。
平均勤続年数三年くらいなんです。
外国人などだって就労上のいろんな不安とか悩みがあるじゃないですか?
一期生が勤めて、2年くらいですね。そしたら、今度は後輩が来たとき、
その人が後輩の面倒を見る、ということが職場定着のために重要
なんですね。
そういう循環を何とか作りたい。
ここを卒業した人について就職先からは
「とにかく笑顔で一所懸命なので、高齢者からの評判は良い」という評価があって
更に雇いたいという声も出ています。
実はこの「試み」は神奈川県の委託事業としては今回で終わりなんだそうです。
でも、甘粕さんが、最後にお話ししていた「循環」を作るために
『横浜市・福祉事業経営者会』は来年度から「無料ヘルパー講習」を独自に続けることを決めたそうです。
高齢化社会が益々進んでゆく中、まさに「継続は力なり」。
続けてほしいものです。
※問い合わせ先
社団法人 横浜市福祉事業経営者会
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045−846−4649 ※受付時間:平日9時〜17時(土日祝日は休み)
関連情報・お問い合わせ先
- 特定非営利活動法人自立支援センターふるさとの会
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