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大学生の学習ボランティア
放送日:2011年07月23日
担当 山崎景子
大学生のある「ボランティア活動」を取材してきました。
大学生と言うと「家庭教師」が「アルバイト」の代表格のようですけど、
ボランティアで勉強を教えています。
というのも、彼らが教えているのは
「児童養護施設」や「自立援助ホーム」などの
子供たちなんです。
教えているのは NPO法人「3keys」のメンバーで、
先ほど聞いていただいたのは東京都内の
ある児童養護施設で
「小学生の宿題」を見ていた様子です。
設立は2年前。きっかけは代表の森山誉恵さんが
大学2年生のときに、児童養護施設でのボランティアでした。
森山さんの話です。
★ほとんどの子が勉強が遅れていて、かつ、それによって学校で居場所を失ったり、
学校に行かなくなって、中卒で終わったり、自信とか、
将来に対する展望が全く見えなくなっている子がかなりたくさんいて、、
本当は子供のせいじゃないのに、何とかしたいと思って、
カウンセラーでもないし、周りに家庭教師をやっている子もいたし、
学生ならではのやり方ということで
「勉強を教える」というのはできるかなということで始めました。
居場所がなくなった子供たちに勉強を教えたことが、
きっかけだった訳なんですね。
「経済的な理由」とか
「虐待を受けて学校に通えない期間があった」など、
『学習環境が整わなかった』ことで
勉強が遅れていたケースが多かったそうなんですね。
で、この3keysでは今、およそ20の大学の学生を含めた、
およそ70人のボランティアが、
都内の12の施設で活動をしているんです。
しかし、ただ勉強を教えれば良いと言うわけではないようです。
施設にいる子供たちの多くは、心に傷を負っているので、
3keysでは事前に研修会を開いて「子供たちの生い立ちや背景」を学んだり
「コミュニケーションの上手なとり方」をみんなで話し合います。
そして実際に子供たちに会って、相性を見て、勉強を教えるという
手順を踏んでいるんです。
勉強を教えているボランティアの人たちの話です。
★★1.最初は無理やり勉強をやり教えるお兄さんという認識だったと思うんですけど。
何回か足を運んでいるうちに、打ち解けていって歓迎してくれるというのが、
続けてよかったと思う。
2.学校でこういうことがあったというときには雑談の時間を大切にしています。
こいつにならしゃべってもいいかなと徐々に思ってくれているんじゃないかなと思っています。
先生と言う意識はあまり持たないようにしています。
近所のお姉さんぐらいで接して行きたい。
実は3keys。最初は大学生の団体だったんですが、
今では家庭教師や
塾講師の経験がある「社会人」もボランティアとして参加しているそうです。
というのも、子供たちにいろんな大人と接してもらって、
将来こういう生き方があるよ、こういう選択肢があるんだよと、
より広く知ってもらいたいからだそうです。
たくさんの見本をみて、人生の勉強もしてもらおうと言うことなんですね。
そんな3keysについて、依頼している児童養護施設の方は
このように話しています。
★★★とても助かります。ほんとに勉強を見てあげたいと言う気持ちはあるんですけど。
どうしても手が回らないところでは。褒めてもらうと言う経験がですね
ほんとにみんな少ないので、ほめてもらった経験がどんどん下地になって、
明らかに自信が付いていて、表情が変わるというのが見ていて
すごく感じる子はいます
子供たちにいい変化が見られたようですね。
ほかにも、高校を中退した子が大学認定試験に合格して、
晴れて大学に進んだそうなんですね。
それを見て、ほかの子もやる気をだして、今猛勉強をしているそうですよ。
また、ボランティアする側にもこんなメリットがあると
3keysの代表森山さんは話しています
★★★★虐待、子育てなどに若い頃から向き合う機会になると思っていまして、
いろんな子と接してみると、子供ってこういうものだねとか、
どう子供と向き合えばいいんだろうというのをすごく考えさせられるので、
子供が生まれてからそう考えると難しいと思うので、
若いうちから子供と
向き合ったり、接したりするのは
将来的な虐待防止につながるんじゃないかなと
思っています。
ただ、ボランティアの数が少なく、
3keysでは他の施設から依頼が来ても
必ず受けられる状況ではないんだそうで、
どう、学生たちを集められるかが課題でもあります。
教えられる子供たちにも、教える学生たちにも相乗効果がありそうだから
こうした動きが広がると良いでしょうね。
問い合わせ先 NPO法人3keys
http://3keys.jp
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