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ひきこもりの若者と家族を支える活動
放送日:2011年05月14日
去年7月、内閣府は家や自分の部屋に
閉じこもって外に出ない若者の「ひきこもり」
について初めての全国調査の結果を
発表しました。
その結果、70万人が「ひきこもり」の
状態となっていて、その数は、将来
155万人になるであろうという事でした。
こうした「ひきこもり」の若者を支援
しようと13年前に横浜市青葉区にできた
NPO法人「月一の会」を
永井洋満ディレクターが取材しました。
代表の梅山明子さんは、
「うちにいるのがひきこもりでなく、
人と関わりたい想いがあるが、
どうかかわっていいかわからないのが、
ひきこもり。親子のコミュニケーションが
増えれば、必ず外に人とのつながりも
できる。」
と語りました。
取材した日は、若者同士が、「居場所」
と呼ばれるマンションの一室に集まり、
メニューを話しあい、自分たちで作る昼食会でした。
「普段、家では料理はしないけど、
みんなと作ると楽しい!」
と言いながら作ったハンバーグでの
ランチタイムでした。
参加した若者は「月一の会」について
●人とすごして楽しいと思うのが
少なかったけど、ここだと
近所に遊びに来ている感じで
なごみやすい。
●居場所へ来るより、学校やバイトを
優先したけど、ここへ来て人に
慣れるのが大切だと思った。
と話してくれました。
また、若者だけでなく、ひきこもりの家族を
持つ母親による意見交換会もありました。
「親の価値観を押し付けてしまった」
「早く自立させたくて、
甘えさせる時間が少なかった」
「あまり、親が先回りして過保護、
過干渉しない。
本人が言いたい事を言える環境が
作れないとダメだなと思う。」
「あせらないでじっくりと」
などの意見がありました。
そして、親子のコミュニケーションで
大切な事について梅山さんは、
「気持ちを聞くという事。これをするしかない。
『聞く会話』ができる家庭は
まず大丈夫と思っています。」
と話しました。
「月一の会」では、このような会員同士の
交流だけではなく、職業体験や、
地域の祭りでのフリーマーケットなど、
外部との交流の場も作っています。
そして、来月の2日には、
手作りの惣菜や、クッキー、
軽食を販売するカフェもオープンします。
●親子のコミュニケーションに始まり、
時間をかけながら、人とのつながりを作っていくこと
●とにかく「あせらないこと」
ひきこもりと呼ばれる状態から、
自信を取り戻して社会参加をする
ヒントが「月一の会」の取り組みにあると思いました。
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