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月2回、木曜日に開かれる「ほっと安心カフェ」を新崎キャスターが取材 |
昭和30年代〜40年代に建てられた各地の団地は建物が古くなり、高齢化が進んでいます。新崎真倫・情報キャスターが東京・新宿区の都営戸山団地で取材しました。
戸山団地は15棟もある大きな団地ですが、団地のある百人町4丁目の高齢化率は50パーセントを超えています。4階建ての古い団地でしたが、数年前に高層住宅に建て替えられました。その14号棟の集会室で去年から開かれているのが「ほっと安心カフェ」です。
「ほっと安心カフェ」を新宿区と共同で運営しているNPO法人「介護者サポートセンター・アラジン」の鵜飼明弘さんは「特に14号棟などは、ここ2,3年の間に他の古い都営団地から移って来られた方がほとんどなので、うまくコミュニティーができていません。昔の町内会みたいなお付き合いがなかなかできないんです」と話します。そこで、一人では外に出づらい一人暮らしの高齢者をはじめ、誰でも立ち寄れる場を提供して、知り合いを作ったり、何でもいいから話ができる場にしようということです。
「ほっと安心カフェ」は基本月2回、木曜日の午後1時から開かれています。利用料は1人100円。お茶とお菓子を出すサポーターは区民のボランティアです。
新崎キャスターが取材した日は40人ほどの利用者がいました。他の都営団地から移ってきたという2人の女性に話を聞きましたが、二人とも同じ団地出身の知り合いもいるようですし、一人で色々出かけたりもしています。でもカフェについて、一人の方は「話を聞くのもしゃべるのも好きなので、お金の余りかからないところだったら、なるべく出て行くようにしています」と話します。またもう一人の方は「私は話の輪の中に上手に入れないんですけど、皆さんのお話を伺っているだけでも楽しくなってきました。サポーターの方も優しく話しかけて下さるし」と話していました。
看護師や保健師による相談コーナーもあって、お茶の合間に気軽に相談できるようになっています。午後4時まで、皆さんおしゃべりはつきないようでした。
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14号棟の集会室で開かれている |
「ほっと安心カフェ」では利用者を増やすため、なかなか自力では来にくい方を戸別訪問で誘ったり、保健師やボランティアが付き添ったりしています。また、運営する新宿区やアラジンでは、映画の上映会や健康体操など色々なイベントも行っています。
そしてこの日、テーブルには、編み物道具や折り紙も用意してありました。利用者の中に「編み物は得意だったんだけど、ここへ引越した時に、道具を処分してしまった」という方がいるそうですが、「またやってみようかしら」と道具を手に取り、その仲間が少しずつ増えているそうです。
集会室のある14号棟は、自治会も他の団地から移ってきた人たちが中心です。活動はまだ活発とはいえませんが、このカフェも一つのきっかけにして活動を広げたいようです。
14号棟の自治会長の井上高夫さんは「編み物とか折り紙とか、今そういうことに取り組む人が少しずつ増えているから、その人たちを中心に少しずつまとまってもらえれば、と思っています。そして、若い世代も自治会に参加するようになってくれれば、もっと活発になると思う」とも話していました。