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一流のパティシエの技が学べる「神戸スウィーツ・コンソーシアム」。 この日の講師は野澤孝彦さん |
障害者が、一流のパティシエから一流のお菓子作りの技を学ぶ「神戸スウィーツ・コンソーシアム in 東京」。この講座は神戸を拠点にしている社会福祉法人「プロップ・ステーション」が日清製粉や日東商会などお菓子の材料やお菓子作りの道具などを扱う企業の協力を得て、去年から始めました。去年は神戸、今年は東京で開催しています。
「プロップ・ステーション」では、障害がある人を「挑戦するチャンスや資格を与えられた」という意味を込めて「チャレンジド」と呼んでいますが、「プロップ・ステーション」理事長の竹中ナミさんは講座の狙いについて、「チャレンジドの世界というのは、どうしてもチャリティーで販売しているというイメージが強いんです。そうではなくて、ほんまもんの、顧客満足の高いものを届けることになる一歩を生み出したいんです」と話します。
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アシストを受けながら、真剣に取り組む |
講座は6月から月1回のペースで行われていますが、池田リポーターがお邪魔したのは8月末に開かれたウィーン菓子の講座です。東京・中央区の日清製粉の社内施設で行われました。
この日の講師は、横浜市にあるウィーン菓子店「コンディトライ ノイエス」の野澤孝彦さんです。作ったのは「ヌスボイゲル」や「ケーゼゲバッケン」等々……。野澤さんによりますと、「ヌスボイゲル」はウィーンのお菓子屋さんでも最近は作らなくなった、ウィーンの伝統的なお菓子の一つだそうです。
今年の受講生は20代から30代の8人。普段から、施設やお店などでお菓子やパン作りに取り組んでいますが、聞き慣れない材料の名前や使い方のポイントなど細かくメモを取り、プロの手つきを見る目も真剣でした。
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右手前のV字型のスウィーツが「ヌスボイゲル」 |
最初はうまくのみこめなくて、材料の分量を間違えてしまったり、ちょっと形を作るのを失敗したり、ということもありましたが、8人それぞれのウィーン菓子を完成させ、最後はみんなで食べました。
吉山瑞枝さんと菊地ゆかさんに池田リポーターが話を聞くと、二人から「甘くて美味しいです。お菓子作りは大好きなので、頑張って覚えたいです」という答が返ってきました。
この日の講座は今年3回目。去年の講座では、習ったことを生かして人気商品を作った参加者がいるそうですが、今年も、齊藤健さんが、1回目に習ったマドレーヌを自分が働くカフェですでに商品にしたそうです。齊藤さんは「回数重ねるごとにできるようになるし、すごく楽しんでいます。一流のプロの方に教えてもらえるなんて奇跡に近いですよ」と嬉しそうに話していました。
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できあがったスウィーツを前に、全員で記念撮影 |
去年からずっとこの講座に関わっている「モロゾフ」のテクニカルディレクター、八木淳司さんは、「とにかく皆さん熱心だということに尽きます。時間はかかりますが、僕らが教えたポイントとかの飲み込みは早いし、なによりも真剣なんです」と話します。
またこの日の講師の野澤さんは「教わったぶんだけ吸収して、学んできて、さらにそれを伸ばそうとみんな考えているようです。個人差はありますが、そこをきちんとみてあげれば、いっぱい可能性はあると思います」と話していました。
プロが教える「神戸スウィーツ・コンソーシアム」ですが、今年の講座は残り3回。パンやクリスマスの菓子を教わります。講座が終わった後も、実際に商品にする時の材料購入などで、参加企業の日清製粉や日東商会が支援していくそうです。