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荒川区が3歳児にプレゼントしている絵本 |
東京・荒川区は今年度から、3歳児検診に来た親子に絵本をプレゼントしています。荒川区は以前から「子供が本に親しめる環境作り」に取り組んでいて、図書館を充実させたりしています。
「なぜ3歳の時に絵本なのか?」、発案した西川太一郎区長に新崎真倫・情報キャスターが話を聞くと、「イマジネーションが豊かな子は優しい子になるし、いろんな意味で、自分の理想を自分の中で育てる能力が生まれると思うんです。私はそれが活字文化の大事な部分だと思っています。3歳頃が一番脳の働きも精神面も言語の吸収力とか感性が非常に豊かになり始める頃なので、ぜひ本に親しんでもらおうというわけです」と話します。
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「おはなしつくしんぼ」のメンバーが受付を担当 |
健診を終えた親子が別の部屋に案内されると、机の上に絵本が5冊並んでいます。中から好きな絵本を1冊選べるんです。
選べる5冊は、「スイミー」「月夜のみみずく」「ママ、ぼくのことすき?」「なつのあさ」「よるのようちえん」で、いずれも名作ばかり。西川区長の依頼を受けて、ノンフィクション作家の柳田邦男さんが選びました。柳田さんは海外の絵本の翻訳も色々手がけているんです。絵本と一緒にお祝いの言葉を渡すのですが、その中で柳田さんは「繰り返し読んで忘れられない1冊にしてほしい」と書いています。
また、柳田さんは「絵本は読み聞かせをして初めて、子供の心に響きます」とも書いています。そこで荒川区では「お手本にしてもらおう」と、読む絵本はプレゼントしたものとは別なんですが、読み聞かせを同じ部屋で行っているんです。
絵本を読むのは「おはなしつくしんぼ」という区民のボランティアグループのメンバー。この日は、読み聞かせのベテラン、山田由紀子さんら3人が担当していました。山田さん達は、指人形やぬいぐるみを持って子供たちの興味を惹くよう工夫していました。会議室の床にござを敷いて読むのですが、これは、子供と同じ目線の高さになれるように、ということのようです。
同じくベテランの原口君江さんに新崎キャスターが聞くと、「お子さんが、読んでもらいたい絵本を自分で一生懸命持ってきて、これ読んで!という風に言ってくれるのが嬉しいです。いつも聞いてるお母さんの声ではなく、同じ本でも読み手が違うとまた違ったイメージがお子さんの中に生まれてくれるのではないかということで、頑張っているんです」と話してくれました。
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読み聞かせの様子を新崎キャスターが取材 |
読み聞かせの後、お母さん達に聞くと、「絵本は1冊が高価なので、色々与えてあげたいと思っても限度が決まっていますので、絵本が増えるのがとても嬉しいです」「おばあちゃんに読んで頂いているような感じで、温かい読み聞かせだったので、普段私が読み聞かせているのとは違って、しっかり聞いてくれたようで、とても良かったです」といった答えが返ってきました。
親は検診に子供を連れて行く張り合いも出そうですし、子供が育つのを地域のみんなで見守っている感じが新崎キャスターにも伝わってきました。
荒川区ではこの他、子供が生まれたばかりのお母さんにも「絵本のすすめ」になる本をプレゼントしているそうです。