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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

在日外国人にも不況が直撃〜日本語教室の参加者が急増

放送日:2009年04月04日
多文化まちづくり工房の事務局の一室。外国籍の子供達の放課後の居場所にもなる。
多文化まちづくり工房の事務局の一室。
外国籍の子供達の放課後の居場所にもなる。
横浜市の泉区と大和市にまたがる神奈川県営「いちょう団地」は、外国籍および外国にルーツを持つ世帯が2割を超えています。団地内にある横浜市立「いちょう小学校」の玄関には10の言語で、「おはよう」や「こんにちは」といった挨拶の言葉が書いて張ってあります。タイ、ベトナム、ラオス、カンボジアなどアジアの言葉に、スペイン、ポルトガルなど南米の日系人が使う言葉まで。
いちょう団地が多国籍で多文化な街になったのは、大和市に以前、インドシナ難民の定住促進センターがあったことから、住むようになったり、いわゆる「残留孤児」ら中国からの帰国者や、帰国者が呼び寄せた家族などが住むようになったからです。近くに働く場として製造業の工場が多いのも要因の一つです。

崎山敏也記者が取材したのは、この地域で活動するボランティアグループ「多文化まちづくり工房」。外国籍の住民の支援を超えて、国籍問わず住民一人一人のつながりを大事にして信頼関係を築こうと、小中学生の勉強の補習や、母親向けの子育てサロン、日本語教室、生活相談など様々な活動を行っています。

グエン・ファン・ティ・ホアン・ハーさん。日本語教室を終えて、他のボランティアと一緒に、事務局で。
グエン・ファン・ティ・ホアン・ハーさん。
日本語教室を終えて、他のボランティアと一緒に、事務局で。
ボランティアは大学生や主婦、リタイアされた人と様々ですが、いちょう団地で育った外国籍の若者たちも加わっています。皆、10代から20代です。
その一人、グエン・ファン・ティ・ホアン・ハーさんは10歳の頃、日本へ来ました。去年大学を卒業して活動の中心メンバーとなったハーさんは、「ベトナムと日本、両方に関わることをしてゆきたい、という自分の夢に、今やっていることが一番近いかも」と話します。そして、活動に参加した理由について「日本に来て、自分は学校で色々困ったし、親も日本語がわからなくて、わからないことが多かったんです。そこで、他の外国籍の子たちの親に何かできないかな、と思ったのと、少しでも親を手伝ってあげられれば、子供達もより良い環境で育ってくれるんじゃないかな、と考えたんです」と話します。

週2回、夜開かれている日本語教室には、ハーさんのようにベトナム語ができる若者も、また、中国語ができる若者もいて、日本語の初心者に通訳をしながら、教えています。少しできるようになったら、基本はボランティアが1対1でついて、日本語に自信を持ってもらい、生活の中でコミュニケーションがとれるよう、会話を中心に勉強を進めます。
その日本語教室への参加者が2008年の年末ぐらいから、急に増えてきました。毎回2、30人だったのが、崎山記者が取材した2009年の3月頃には、6,70人と、倍以上になる日もあります。「教室に来たのは初めて」という人も増え、ボランティアが足りなくて困っています。
最近来るようになったというベトナム人の男性に崎山記者が話を聞くと、「日本に来て8年ですが、言葉はあまりできません。今は仕事をしていないんです。会社は暇でクビになりました。以前は朝から晩まで忙しくて、言葉の勉強もできなかったんです」と話します。

日本語教室は小学校の施設を利用して開かれている
日本語教室は小学校の施設を利用して開かれている
外国人が多く働く工場などでは、日本語ができなくても、仕事ではさほど困らなかったのが、不況で契約を切られたり、解雇される外国人が増えています。 「多文化まちづくり工房」代表の早川秀樹さんは「仕事がすごく忙しくて、教室にこれないといった状況だった人たちがどんどん仕事を失っています。日本語がわからないと新しい仕事も見つからないというかなり追い詰められた状態にあって、日本語を学びたいという人がどんどんどんどん増えています。不況の影響がもろに地域の中に出てきてるなあ、という風に感じます」と話します。地域の状況がそのまま日本語教室に反映されているんです。
早川さんは「なんとかボランティアを増やして、対応してゆきたい」と話しますが、なかなか大変なようです。
また、不況がさらに続くと、いずれ雇用保険も切れ、言葉の問題だけでなく、生活が苦しくなり、子供の生活にも影響がでるのでは、と早川さんは心配しています。
言葉や生活の面で支援がないために、「定住外国人」が潜在的に抱えていた問題が、不況をきっかけに表面に出てきているようです。

「多文化な街」、いちょう団地。「日本の将来の縮図ともいえるこの街の現状をもっと知ってほしい。そして、日本社会は外国人をどう受け入れていくのか、きちんと考えなくては」とも早川さんは話していました。
(1枚目と3枚目の写真は「多文化まちづくり工房」提供)

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