「子育てマップ」が最近あちこちで作られるようになりました。公園や、保育所、児童館など様々な子育てに役立つ場所や情報が載っているマップです。行政機関が作ったり、ママさんグループが中心になって作るものが多いんですが、池田智子リポーターは今回、高校生が作ったマップを取材してきました。千葉県木更津市の「子育てマップ」です。
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木更津東高校「家庭クラブ」の生徒達 |
作ったのは、県立木更津東高校の「家庭クラブ」の生徒たち。5年前に初めて作られ、その後も毎年、更新しています。
保育園など「子育て支援に関わる場所」は、濃いピンク色の手袋のマーク。5年前の生徒達が「助けて、といえば必ず手をさしのべてくれる人がいる」という意味を込めたそうです。育児サークルや子育て教室などが開かれる「公民館」は黄色い星のマーク。「これから新しくつながっていく窓口になる、出会いの場になる場所だから、希望の星なんだよ」ということだそうです。
その他にも様々な情報が満載です。また、道路やイラストはワープロを使わず、手書き、手塗りにこだわり続けています。「そのあったかさがお母さんにとって必要なメッセージだ」という考えを反映しているそうです。
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「家庭クラブ」以外の活動についても色々話してくれました。 |
2009年も1月から2月にかけ、1年生と2年生の部員が、今までの情報に変わりはないか、授業の終わった放課後に、病院や施設、ママさんグループなどに電話をしたり、直接確認に行ったりしました。
慣れない「取材」でとまどったこともあったようで、池田リポーターのインタビューに「敬語を使って、けっこう緊張しました」とか「新しくなったところもあって、調べるのが大変でした」といった声が返ってきました。その一方で、「先輩と協力しながら作るのは大変だったけど、楽しかったです」とか「使って喜んでいる顔を見ることができたら、やった甲斐がありますね」と充実感のある答えもたくさん返ってきました。
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「家庭クラブ」顧問の向井幸子先生 |
中には「将来保育士になるのが夢なので、関われてよかったです」とか「自分がもし親になった時に、こういうマップがあったら、すごい便利でいいだろうな」という答えもありました。br>
実際、マップ作りに携わった卒業生の中には、看護師や保育士になった子もいるそうです。「家庭クラブ」の顧問の、木更津東高校の向井幸子先生は「地域に飛び出してみたら、いろんなところに子育て支援施設があるということを知ることになります。自分が子育てをはじめたら、どこかにかけこめば、誰かが助けてくれるんじゃないか、というのを実感したと思います。生徒たちは将来、一人で悩んだりしないで、きっと誰かに声をかけられる気持ちが育ったんじゃないかと思います」と話していました。
新しいマップは、各所に張り出されたりしている他、1千枚が3月の初めから市役所や施設などいろいろな場所に置かれていて、ママ達に届けられています。
作って5年。関係機関からも情報を積極的にもらえるようになりましたし、木更津東高校の卒業生の中には、市内で働いている人も多いので、「貼ってあげるよ」と声をかけてもらえることもあるそうです。向井先生は「外に出ると、言葉遣いや服装も考えるようになりました。自分たちの学校が地域にとってどんな存在なのか、意識するようになったんですね」と話していました。
これからもずっと、後輩達が「マップ作り」を引き継いでいってほしいと思った池田リポーターでした。