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この日は、チョコレートが中心 |
発展途上国で作られているものを適正な値段で買って自立を助けようという「フェアトレード」に、サークル活動で取り組む大学生達が各地にいます。学内の売店で実際に商品を売るサークルも多いんですが、波岡陽子・情報キャスターが取材した東京の立教大学のサークル、「フェアトレードパートナー」は月1回、地元、池袋の公園にお店を出しています。
池袋三丁目の池袋第二公園で開かれているのは「えんがわ市」。一人暮らしの高齢者や子育て中の主婦らが気軽に集まるサロンの運営などを行う「みんなのえんがわ池袋」が地域を元気にしようと毎月、開いています。フリーマーケットや野菜の販売、屋台が出るほか、紙芝居や竹とんぼなど子供の遊びの教室などもあります。
「立教大学フェアトレードパートナー」は、他のお店に混じって、小さな机に手作りのポップをつけた商品を並べています。フィリピン産のドライマンゴーや東ティモールのコーヒーなどが主力商品ですが、波岡キャスターが取材した2月8日は、バレンタイン前ということもあって、チョコレートをいつもより多めに並べていました。
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「フェアトレードパートナー」の迫田さん(中)と高橋さん(右) |
例えば、エクアドル産の粒チョコ。ジンジャーや胡椒といったちょっと変わった味がします。それに、唐辛子入りのチョコレート等々。ちょっと値段は高目ですが、女性や子供に人気で、お小遣いをわざわざ家まで取りに帰って、財布を握りしめて、チョコを買いに来た子もいました。
2月はバレンタイン狙いでしたが、様々な年齢層の人にどんなものを売るか、毎回思案しているそうです。サークル代表の2年生、高橋直大さんは「どういう商品を売るか、学ぶところも多いし、フェアトレードについてどう説明するか、実践ができる場です」と話します。この日もフェアトレードの仕組みや効果について、「適正な価格で買うと、現地の学校や水道の整備につながります」とか、「安く作るために農薬を使いすぎて、環境の破壊になることもあるんです」など、一生懸命、丁寧にお客さんに説明していました。
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池袋第二公園の前にある「みんなのえんがわ池袋」 |
「えんがわ市」に出店して半年。この日は、試飲もできるコーヒーを目指してくるなじみのお客さんも多く、「コーヒーがいつも美味しいんです」とか「少しでも現地の人に還元しようと思って」とか「この辺は高齢者が多いですが、若い人が参加してくれると活気が出ますね」といった様々な声が返ってきました。
顔なじみ、というだけでなく、「フェアトレードの豆を使っている喫茶店があそこにあるよ」とか、ネットには載っていない、地元でないとわからない情報を教えてもらうこともあるそうです。
地域の人との交流を楽しんでいる、という前代表、3年生の迫田麻悠子さんは「最初は、地域と関わって、何かしてあげたい、という気持ちが強かったんです。でも今考えると、それは恥ずかしくて、『えんがわ』の方にも色々用意してもらったり、アドバイスしてもらったりと、教わることばかりです」と話します。
立教大学フェアトレードパートナーでは今後、地域にお世話になるだけでなく、交流を生かして、フェアトレードを広めることにもつなげたいと考えています。高橋さんは、「フェアトレードの商品を使って地元の名物を作れないか」、といったアイデアも持っているようでした。若い力が地域で何を生み出すか、楽しみな波岡キャスターでした。