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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

悪質商法について楽しく、わかりやすく伝える

放送日:2008年06月14日
世田谷区内で開かれた「出前寄席」で熱演する室野井さん
世田谷区内で開かれた「出前寄席」で熱演する室野井さん
振り込め詐欺や、巧妙化するキャッチセールスなどの悪質商法。そういう詐欺や悪質商法の手口や解決策を題材にした、ユニークな「出前寄席」が東京都内で開かれています。
「出前寄席」は、悪質商法について「楽しく、わかりやすく」伝えようと東京都消費生活総合センターが1996年度に始めたもので、オリジナルの落語や漫才やコントが演じられます。

野口太陽記者が取材したのは、5月に開かれた全労済世田谷支部の加入者集会です。この日は「おばあちゃんの一日」と「アースをねらえ」という落語が演じられました。
「おばあちゃんの一日」は消火器を売りつける詐欺を題材にした落語です。もう一つの「アースをねらえ」は、街で「地球温暖化」についてのアンケートをお願いされた人が、「エコ」とか「地球に優しい」という言葉に負けて、最初は「マイ箸」を買わされ、次に環境によい自転車、最後は何百万円もする「低燃費の車」を買わされてしまう話です。
このようにキャッチセールスは流行などをよく研究しています。そのよくある手口や万一の時のクーリングオフのやり方などが話の中に織り込まれているんです。

出前寄席で演じているのは、大学の落語研究会や社会人のボランティアグループのメンバーです。野口記者が取材した日は、「出前寄席OB会」の室野井岳史さんが担当しました。高座は机を並べて、その上に座布団をおいた急ごしらえのものでしたが、50人ほどのシニア世代の方を前におよそ30分の熱演でした。
室野井さんは「笑いの入れどころが難しいんです。もっと笑いを取りたいんですけど、こういう話ですから、笑いばっかりだと大事な話はできないですし、大事な話ばかりするとお客さんは飽きちゃいます。うまいこと会場の空気を見てやっていくしかないですね」と話します。でも、難しいからこそ「お客さんがうけてくれると、とてもうれしい」そうです。
落語を聞いた一人の女性は「他人から聴いても、人ごとのように聴いて、ひっかかっちゃう人がいるんですが、笑いながら聴いていたので、頭にスッと入りました」と話します。また、ある男性は「うちの家内も実は振り込め詐欺にひっかかりそうになりました。本当に人ごとではなくて身近に感じましたので、参考になりました」と話していました。

出前寄席の謝礼は交通費込みで1人1演目6000円。依頼に応じて、台本をその都度覚えなくてはいけないので、けっこう大変です。それでも室野井さんは以前、プロでもなかなかあがれない浅草公会堂で、何百人もいる前で演じることができたのが、一番の思い出だそうです。また、「若い女性が男性を言葉巧みに誘って商品を買わせる」という「デート商法」の落語を看護学校でやった時は、「女が男をだますという台本の設定を全部逆にするのは大変でしたが、すごいうけたので、達成感がありました」と話していました。

台本は消費生活総合センターが大学生らに募集をかけ、応募した人が原案を作ります。それが、弁護士の監修を経て、台本になります。毎年、新作が生まれ、現在、落語、漫才、コント合わせて60本になったということです。
振り込め詐欺だけでなく、新たな悪質商法は次々に出てきます。例えば、健康ブームを逆手にとった、「怪奇、ドロドロ血液の謎」という漫才の台本は室野井さんが作った昨年度の新作だそうです。また、子供向けの「消費者戦隊『ダマサレンジャー』」という漫才は、ゲームソフトの通信販売で、いいかげんなソフトを高い値段で売りつけるというものです。
高齢者向けの依頼が多いのですが、最近は対象年代も広がり、PTAからの依頼や、小中学校や女子短大からの依頼も時にはあるそうです。

出前寄席を担当している東京都消費生活総合センターの中島智恵子さんは野口記者の質問に、「大変喜んで下さる方も多いのですが、プロではありませんから、終わった後、注文がつくこともあります」と話します。そこで、毎年度開かれている新作発表会では時々、プロの指導を受けてもらい、間の取り方とか話の仕方とかを勉強してもらうこともあるそうです。
それから学生の場合、卒業するとどうしても離れてしまう人が多いのが悩みの一つです。また、落研の後輩が続かない場合もあるそうです。それでも、室野井さんのように「出前寄席OB」として続ける方もいるし、この出前寄席に参加したいと新たに手を挙げる大学の落研もあるそうです。
続けていくのはいろいろ大変ですが、2007年度は年間で118件、月平均で約10件の依頼があったということです。

「出前寄席」をお願いしたい場合は、東京都消費生活総合センターまで。
受付の電話は、03-3235-4167(平日のみ。9時〜17時)。詳しくはホームページを ご覧ください。
また、毎年2月には無料の「新作落語発表会」も開かれています。
来年も2月末に開かれる予定です。興味ある方はこちらも東京都消費生活総合センターまでお問い合わせ下さい。