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バルーンを使ったマジックやパフォーマンスで観客を楽しませたハッピーゴリラさん |
神奈川県鎌倉市の臨済宗円覚寺の境内で6月24日、沖縄の島唄を楽しむ「チャリティコンサート」が開かれました。「梅雨の北鎌倉島唄紀行」と題したこのコンサート、「ウクレレ」で島唄などを歌う石垣島出身の「てんほうらく(天法楽)」さんが中心になって毎年この時期に開いてきました。今年で8年目で、収益金の一部は「神奈川骨髄移植を考える会」に寄付されます。
会場は円覚寺の塔頭、白雲庵の本堂。普段は一般公開されていない「重要文化財」の仏像が並ぶ本堂におよそ130人のお客さんが集まりました。
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「OKINAWAN ISLAND CONNECTION」伊勢沢ゆきさん(左)、「てん ほうらく」さん(中)、吉田豊さん(右)
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コンサートの第一部はハッピーゴリラさんの風船を使ったマジックとパフォーマンス。そして、東京・品川区の八潮パークタウンで活動する「八潮太鼓の会」の皆さんの太鼓の演奏と続きました。
そして第二部は「OKINAWAN ISLAND CONNECTION」の登場です。ウクレレ&ヴォーカルの「てん ほうらく」さん、ピアノ&コーラスの伊勢沢ゆきさん、そしてパーカッションの吉田豊さん。「安里屋ユンタ」や「真謝節」、「赤田首里殿内」といった、古典的な民謡やわらべうたをポップにアレンジしたほか、ハワイアンや「涙そうそう」まで12曲を披露しました。
「とにかく来たお客さんに笑って楽しんでもらって、楽しんだらチャリティだったというコンサートです」という「てんほうらく」さん。ダジャレ連発のトークに笑いながら、一緒に振り付けをつけて参加する歌もあって、あっというまの2時間でした。
「元気をもらうコンサートでした」「重要文化財とか見られて、奥ゆかしい場所で素敵な音楽が聴けて、思い出深い一日でした」「明るい沖縄という雰囲気がとても気に入っています」というお客さんの声。それぞれに楽しんでもらい、「骨髄移植」についても知るきっかけになっていたかもしれません。
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コンサートは鎌倉の円覚寺の塔頭、白雲庵の本堂で行われた |
「元々お寺を回るのが好きだった」という「てんほうらく」さん、「何かチャリティーをやるんだったら、お寺でやりたい」と思っていたところに、「白雲庵」を紹介されたそうです。実は、円覚寺の境内では以前から、白雲庵とは別の場所でも骨髄移植を支援する「クラシックコンサート」などが開かれていました。その場所が改修中の時は、白雲庵が会場になったこともあったそうです。そこで、ご住職の磯谷晴雄さんは「てんほうらく」さんの依頼を快く引き受けたということです。本来のお寺の仕事も忙しいので、何でも引き受ける、というわけにはいきませんが、白雲庵ではこれまでに盲導犬やユネスコ関係などのチャリティにも場所を提供してきました。
磯谷住職は「1人でも音楽とかいろんなものに親しみを覚えて、心が豊かになればいいかな、と思っています。それもまた一つの縁、出会いですから、そういう出会いを大切にしていけばいいんじゃないでしょうか」と話していました。
この6月のコンサートを1年で最も大切にしている「てん ほうらく」さんですが、ディナーショーやコンサートなどの仕事で地方に行くと、空いた時間を有効に使って、老人ホームやデイサービス施設などで、ミニコンサートなどを開くことも多いそうです。こういうボランティアの時に知り合った方が、円覚寺のコンサートにも友達と誘い合わせて来たり、去年円覚寺に来て感動した方が、自分の地元のタウン誌に情報を載せたりと、「出会い」が「出会い」を生んでいます。こうやってコンサートのことも口コミで自然に広がり、8年続いてきました。「息長く」続いていってほしいですね。