TBS RADIO 954 kHz TOPページへ ページの先頭です

土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

※こちらは「過去ページ」です。
新しい番組ページは「こちら」です。

土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

もっと詳しく

大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

もっと詳しく

●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

作業所をライブハウスに!

放送日:2007年03月31日
4月のライブは「テルミン・ロシアナイト」。予約のお客さんでいっぱいでした。
4月のライブは「テルミン・ロシアナイト」。予約のお客さんでいっぱいでした。
世田谷区にある精神障害者共同作業所「Crazy Cats(クレイジーキャッツ)」。対人関係を苦手とする利用者が多いので、普段は集まって話をしたり、自分の好きなことをして、過ごしています。また、一緒に料理やお菓子を作ったりもしますし、音楽好きの利用者が多いので、ピアノやギター、ドラムなど備え付けの楽器を練習する人もいます。 この「Crazy Cats」が去年から始めた新しい試み、「ライブハウス」を近藤夏紀記者が取材しました。
もともと音楽好きの利用者が多い「Crazy Cats」ではこれまでも「ライブ」を行ってきましたが、参加するのは利用者自身と知り合いなどに限っていました。しかしこの「ライブハウス」は、外から演奏してくれる人を呼んで一般のお客さんからお金をとる、つまり「営業」するんです。
「ライブハウス」を始めた理由について施設長の戸島大樹さんは「作業所の中で作業をして、内職で報酬をあげるということは他の作業所ではよくやっています。しかし、お客さんと直接おつきあいできるという店舗という形で、そして、今までやってきた音楽活動の面をそのままに、収入をあげるための手段として活用できないか、と考えたんです」と話します。
去年施行された「障害者自立支援法」は「障害者も積極的に経済活動をして、自立するよう」うたっています。しかしその一方で、自治体からの作業所への助成金は打ち切られる方向にあります。「Crazy Cats」でも、これまでの運営方法の良さを活かしながらも、「利用者の自立の支援になり、収入を上げていく」必要性に迫られているのです。

「Crazy Cats」の利用案内
「Crazy Cats」の利用案内
「Crazy Cats」は小田急の梅ヶ丘駅近くのビルの地下にあり、ライブのある日は入口に目印の看板も出ます。入っていくと、普段は荷物でちらかっている作業所内はテーブルと椅子がきれいに配置され、一見するとレストランのようです。
ライブは基本的には月1回。およそ30人の利用者から、希望した人の適性をみながら、ライブのスタッフは決まります。近藤記者が取材した2月のライブの時は4人。ある男性は人と深く接するのが得意ではないということですが、ライブ中は手伝いのボランティアの方に負けずに訪れたお客さんに注文を聞いてまわっていました。感想を聞くと、「すごい緊張しましたが、きょうは普通にコミュニケートできました。来月のライブもまた参加します」と少し積極的になれた様子でした。また入り口で受付の係を勤めた男性は初めて働いたのでとても緊張した様子ですが、精一杯、「いらっしゃいませ」と声をかけていました。
20人ほどの客の中には「この日の出演者のファンで、Crazy Catsは初めて」という人もいましたし、Crazy Catsに何度も来ている人もいました。一人の方は「スタッフがすごい丁寧だなー、親切だなって。手作り感がすごくあるな、と思います。話しかけてくれる感じとか、不器用そうな感じですけど、でも一生懸命だからすごく気持ちがいい」と話していました。
毎回客の反応は上々で、40人来て立ち見になった日もあったそうです。この日出演していたピアノとピアニカ2人のユニット「ウストキネ」のお二人は「ライブハウスとして設備も良いし、あたたかくて心地よい雰囲気だ」と話していました。ライブが終わった後には、出演者を囲んで、利用者や職員が打ち上げを兼ねて交流しているそうで、色々な出会いが生まれているようです。
去年の8月から始まった「ライブハウス」の営業ですが、事前の予想以上に客が集まったため、施設長の戸島さんたちは営業日を月2回に増やそうと考えています。ただ続けると交代要員が必要になりますが、まだそこはスムーズにではないようです。意欲はあっても「まだ人が苦手」という利用者もいるので、接客の研修を受けたり、他の人が働いている様子を見学して、スタッフになる準備をしています。一方で、お金をもらって演奏するわけですから出演者の意識も高くなり、スタッフにも質の高さが求められるようになるので、交代要員は簡単に増やせないようです。安定した収入が続くためにも試行錯誤は続きます。

  一方、「Crazy Cats」施設長の戸島さんは「音楽を楽しみにライブハウスに行く、という日常の行動が精神障害を持つ人たちと普段は関わることなく生活している人にとって、精神障害について考えるきっかけになれば」と話し、続けてゆくことに意味を見出しています。もっと一般の人たちが「精神障害」について知るようになれば、精神障害者が地域の中で自立して暮らせる社会に一歩近づくでしょう。「Crazy Cats」という場はその一つのきっかけになりそうです。

関連情報・お問い合わせ先