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昭和女子大学の板東理事長 |
2月4日の人権トゥデイは、東京・世田谷区の昭和女子大学の構内に去年の11月、子育てセンターができたという話題を放送いたしました。
昭和女子大学が設立したNPO「昭和チャイルド&ファミリーセンター」が「都の認証保育所」と「子育てルーム」を同時にオープンさせました。
昭和女子大学の副学長で「昭和チャイルド&ファミリーセンター」の理事長、板東眞理子さんに伺うと、女性達が出産、子育てで家に入ってしまうという人たちが多いので、何とか仕事をしている女性達が両立できるように支援したい。
もう一つは、家庭に入ったお母さん達も言葉も分からないような子供と24時間小さなマンションの部屋でというような子育てをしている方が多い。
そういう方達をサポートしなくてはいけないのでは?
その両輪でしたいなぁということでした。
働いていても、いなくても、子育てをしている女性全般のサポートに乗り出したわけですね。
子供同伴で自由に利用できる「子育てルーム」では、保育士の資格を持つスタッフや、昭和女子大の学生ボランティアも手伝って、育児についてや、仕事との両立といった、悩みの相談を受けています。
また、大学には心理学や子育てを研究している専門家もいますので、アドバイスもできるんです。
例えば、近くに親類や知り合いもいなくて、家の中でまだ話も出来ない子供と二人きりでずっと、という状態だと、不安やストレスの連続だということです。
そういう場合は、外に出て、子育てルームで、同じ境遇のお母さん達や専門家に会って、少しでも解消して欲しい、ということなんですね。
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子育てルームにいらしたみなさん |
また、保育所に入りたくても入れない子供は現在、全国に1万3千人以上いると言われます。
認証保育所をオープンしたのは、「待機児童を少しでも減らすことで、働くお母さん達をサポートするため」なんですね。
「認証保育所」はもちろん定員がありますが、「子育てルーム」の方は住所氏名などを記入するだけで、無料で利用できるので、300組以上の親子がセンターに登録しています。
広さは、教室1つ分ほど。毎日、10組以上の親子が訪れ、子供を遊ばせながら、お母さん達はおしゃべりに花を咲かせています。
センターに登録すると、大学の入構証がもらえ、学食も使えて結構お得で、「まるで学生時代に戻ったみたい!」いう方もいらっしゃいました。
また、学生ボランティアを始め、色々な世代の人と触れ合えるのも特色の一つです。
そして、ボランティアの学生さん達にとってもいい経験のようです。
大学で勉強はしていても、実際に子供や親と接してみると、頭で分かっていても実践できなかったり、あ、こういう意味だったんだと気づくことがたくさんあったそうです。
板東理事長は、「お母さんや子供達はこの子育てセンターでいろいろと学ぶことができますが、大学側も、お母さん達や子供達からたくさんのことを学んでいるんです。
そういったつながりを、今後、もっと大きく、深いものにして行きたい」とおっしゃっていました。
そのため、来年度、つまりこの4月以降に、親と子のスポーツ大会などを企画して、より多くの人に大学に集まって欲しいと考えています。
また、子育てが一段落した後、働きたいお母さんを支援するキャリアアップ講座なども考えています。
地域の子育ての中心に「大学」があって、そこから大きな和がどんどん広がってゆくことを目指しているんですね。