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真剣に豆を選別する中学生たち |
小中学校の「総合学習」の時間を利用して、「国際支援をするボランティアや団体を見学してみたい」という子どもたちが増えています。神奈川県藤沢市の村岡中学校の2年生4人が12月のある日、紛争地や災害地で人道支援をしている東京・世田谷区のNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」を訪ねました。
午前中はまず勉強。映像や大きな世界地図を使い、理解しやすいようにクイズ形式で、世界中で困っている人がどれくらいいるのか?といった世界が抱えている問題の基本を学びます。次に具体例として、紛争が終わって、独立したばかりの東ティモールの現状やどんな支援を必要としているのか?、東ティモールの現場から帰ってきたばかりという山本有起さんの話に4人は熱心に聞き入ってました。
そして午後には、午前中の勉強を踏まえて、ボランティア活動に参加。コーヒー豆の選別です。
東チモールはコーヒーの産地なんですが、紛争の後遺症で輸出が難しく、「ピースウィンズジャパン」が支援しています。輸入された豆の中から、欠けてしまっているものや、色が変わっているものを取り除くんですが、見た目でパッと分かるわけではありません。しかも実際の商品になるわけですから、手は抜けません。4人はわいわいがやがやと、でも真剣に取り組んでいました。取材した大島洋子・情報キャスターも隣に座ってこつこつと作業を進めましたが、「なかなか根気のいる作業」だったそうです。
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見学終了! |
感想を聞くと、「肩が凝って疲れたけど、豆を探すのは楽しかった」「地道な作業をやって、ありがとうって言われるのはすごい嬉しかった」という答えが返ってきました。
さて、一通り一日の見学が終わって、あらためて聞きますと「東ティモールのストリートチルドレンのような子どもたちを無くす世界にしたい」「自分たちでも募金みたいなことからなら、できると思いました」といった答えが返ってきました。僅かな時間ですが、色々感じて、実践につながるようなことを学んだようです。
ピースウィンズジャパンには一年間で50件以上の見学や講師派遣の依頼があるそうです。受け入れるピースウインズジャパンの側も、本来の仕事の時間を割いて対応しているわけですが、広報担当の芝田響子さんは「子どもたちに教えて、すぐ何か返ってくるということではありません。でも、ゆくゆくは彼らが成長して社会を変えていくわけですから、私たちの活動を今から伝えていくことは大事だと考えています」と話します。講師を務めた山本さんも「すごく感受性が豊かな時なので、私たちが持っている価値観を覆して、何か新しいことを起こしてくれる力が子どもたちにはあります」と話します。山本さんのような現場の人たちが刺激を受けて、今後の活動のヒント、新しい活動につながるかもしれません。
ピースウィンズジャパン以外の団体にも同じような相談は多いそうですし、最近では「修学旅行」の訪問先としても、こういう国際援助団体は人気があるということです。