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焼けるのを待ってます |
去年の11月から12月にかけての週末、埼玉県内の33箇所で、焼き芋を焼く煙があがりました。これは「お父さんのヤキイモタイム2005」というキャンペーンで、子育て中のお父さんのための焼き芋の会。埼玉県の子育て支援課とNPO「ハンズオン」が企画しました。
平日は会社勤めのお父さんは、住んでいる地域でのお付き合いの場をなかなか持てません。たまに、休日の公園に子供を連れてったり、保育園の行事などに出席しても、お母さん同士やお子さん同士は仲良くしているけれども、お父さんは「壁の花」になりがちです。「ハンズオン」代表の西川正さん自身そういう経験をしたので、「地域のお父さん同士が知り合う場を作ろう!」ということで発案されたのが「焼き芋の会」だったんです。
実際に実行するのは、県内の保育園や育児を考える市民グループなどで、綾部峰雪・情報キャスターは朝霞市の「城山公園」に、焼き芋の香りにひかれて、お邪魔しました。集まっていたのは、朝霞の子育てサークル「あいネット」の方々を中心に40人くらいのお父さん、お母さん、子どもたち。
作業の中心になったのは、最初はお母さんで、生協から提供してもらった埼玉県産のサツマイモを銀紙にくるんだり、ウィンナーや、マシュマロや、リンゴや魚といった食材を準備し、忙しそうに動いていました。子どもたちはというと、ただただ食べる子供。ひたすら走り回る子供。お母さんの手伝いをする子供と、それぞれ。
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焼き芋美味しい |
ではお父さんは、というと、「こういう場」は初めてという方は特に遠慮気味でしたが、薪を割ったり、子供に焼き方を教えたりしているうちに、徐々に動きがよくなってきたようです。
「自分こんなんじゃいけないかな、と考えさせられました」という方や「同じ年頃の子供がいたら、いろいろ感じたり体験することを話し合える場があればいいな、と思ってました」という方も。皆さんこれからこういう機会があれば是非参加したいと口々におっしゃっていました。ここで知り合いになれれば、街で会った時に挨拶が生まれるかもしれません。交流の場も自然と増えそうです。
「お父さんにも子育てに参加してもらう」ための講座や講演会などは各地でよく行われていますが、「お父さんのヤキイモタイム」のような「お父さん参加型の企画」となるとまだ少なく、埼玉県としては、初めてだったようです。
「ハンズオン」の西川さんは、今度は夏、神社の境内などを借りて「お父さんの肝試し大会」はどうか、と話しているところなんだそうです。お父さんが内容を企画し、実際の小屋を建て、運営もするというわけです。楽しみですね。
核家族化が進んでいる今、子育てに悩んで、孤立しているお母さん、お父さんは少なくありません。そういう時、地域の中で交流があると助けられます。焼き芋を通じて生まれたお父さん同士の輪の広がりに期待です。