今週は、「新しい介護の形」について取り上げます。
「親の介護」というと、親と同居したり、近くに住んで通ったりして「介護する」というイメージがありますが、現実には、核家族化が進み、成人すると親と「離れて」生活する人が増えています。
こういう、遠くに住む親の介護で悩む人のために、東京・杉並区にあるNPO法人「パオッコ」が、今年の7月から無料電話相談「パオッコ仲間ライン」を開設しました。
電話をかけてくる人は、具体的にどんな悩みを抱えているのか、パオッコ理事長の太田差恵子さんに伺うと、
親が2人でいたが、1人になったとか、急に入院してどうしたらいいのかという人もいる。同居したいがなかなかできない場合、離れて暮らしてどうやってケアしたらいいかと思い詰めてるというか、もうお手上げという状態だそうです。
10年くらい前だと、「同居するのが当たり前」という社会的な考えがありましたが、子世代も仕事とか自分の子どもの教育とかあって、簡単に故郷に戻れないし、もう一つは住宅事情。
親の部屋を用意できるかというのが問題だそうです。
また、親も住み慣れた場所を離れ、慣れない場所に越すというのはなかなか難しく、現実に同居するのは、大変なんですよね。
そこで、太田さんは「遠距離介護」という新しい「介護」の形を表す言葉を提案し、10年ほど前に(中国語で包むという意味のパオと、子どもの子の造語)「パオッコ」を設立して、遠距離を行き来して介護をする人たちを応援することにしたんです。
つまり、「親との別居」を前提として介護するのが「遠距離介護」です。
この遠距離介護は、別にしょっちゅう通うというわけではなく、ボランティア団体や、民間企業のサービスをうまく使い、そのサービスを「コーディネイト」して親のケアする事なんです。
ただ、太田さんの考えでは、「遠距離介護」は「介護のサービス、方法だけ」をさすのではないそうで,遠距離介護は、「介護予防」と考えて欲しい。
今の状態を保ってもらう、今よりも介護度を上げないように、親世代を応援することが「遠距離介護」。
実際、最終的に介護度が上がると、施設入居を選ぶ人が多く、ただ施設に入ったから終わりではなく、会いに行かれることで心のケアが子どもにもできる。
それも「遠距離介護」、ということでした。
これならば、親に今の状態を保ってもらえ、そういう時に備えて考えたり準備する時間も与えてくれます。
「遠距離介護」という言葉から、離れて暮らす親と子にとって大事なことがいろいろと見えてきますよね。
NPO法人「パオッコ」の電話相談、「パオッコ仲間ライン」は、
毎週金曜日、朝10時から昼3時まで、
03−5350−6336で受け付けています。