みなさま、こちらのマーク知っていますか?
このマークは「ハート・プラス」マークといい、「内部障害者」を表すマークなんです。

「内部障害者」とは、「心臓や腸、肺といった臓器など身体の内部に疾患がある」障害者のことで、このマークは1年ほど前に作成されました。
このマーク、実は内部障害者の方たちには、無くてはならないマークなんです。
「ハート・プラスの会」の白井伸夜代表に伺うと、「我々内部障害者の障害は、目に見えない。数もたくさんいるし、こういったモノが必要と昔から言われていました。見た目全然元気そうに見えるけど、ちょっと歩いたらそれだけで命に関わる状態になってしまう人も、実際にはいる。
それをやはり分かってもらえないので、作りました。」とおっしゃいます。

「ハート・プラスの会」の推定では、現在、内部障害者は障害者手帳を取っている方だけでも96万人いるとみられています。
障害者手帳を取っている方たち全体でおよそ450万人いますので、五分の一ほどの割合を占めています。
身体の内部に障害があるため、外見からでは障害のあるように見えません。
例えば、白井さんは先天性の複雑な心臓病に肺の病気も併発していて、一級の障害者手帳を持っていますが、一見したところでは、若くて元気な女性に見える場合もあります。
なので、白井さんが電車などの優先席に座ると、お年寄りから「若いくせに優先席に座っていてはダメだ」と注意されてしまったそうです。
この「ハート・プラスマーク」を身に付けることによって、「私は身体の内部に障害があるんですよ」ということを見た目で分かってもらえるようにするため、作ったそうです。
内部障害者の方たちも、見た目で分かる障害を持つ方と同様、手助けを必要としているのに、なかなかそれが分かってもらえないんですね。
このマーク、現在は、ハート・プラスの会のホームページからダウンロードして手に入れる以外、方法がないんです。
このマークは考案されたばかりということもあり、認知度が低く、国や自治体もまだ動いておらず、ハート・プラスの会が「自分たちで広めるしかない」そうなんです。
しかし、自分たちだけの力では、やはり限りがあるので、何とか普及させる方法を模索している最中だそうです。
今、優先席や駐車場などで見かけるのは、車椅子に人が乗っているマークや、お年寄り、妊婦と、「見た目でわかること」を示すマークばかりです。
それだと、そのマークに表されている方「専用」のような印象を与えてしまいます。
見た目でわかりにくい内部障害者は利用しづらいんです。
また、マークとともに、「内部障害」自体への認知度が高まってほしいと、白井さんはおっしゃいます。
周りから理解されないと、仕事を失ったり、思うような仕事につけないことも多いので、「自立」して生きていくためには、まず「理解される」ということが大事なんですね。