今年2月に、4年半ぶりに避難指示が解除されたばかりの「三宅島」。池田亜希子・情報キャスターが復興にちょっと役に立つある試みを取材しました。
池田キャスターと並んで写っているアフロヘアの男性。東京・三鷹市の第三セクターが運営するインターネット商店街「みたかモール」の店長、草間忠広さんです。
「みたかモール」は三鷹にあるお店の商品だけでなく、三鷹と縁のある町の名産品なども取り扱っています。その「みたかモール」の最初のページを開くと、「三宅島復興のお手伝いさせていただいてます!」という文字が飛び込んできます。そこをクリックすると、三宅島特産の「くさや」の販売のページに行くことができるんです。
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2005年2月1日 三宅島に発令されていた避難指示が解除され、三宅島も4年半振りに復興への道を歩き始める事になりました。
その間、暖かいご支援を頂きました皆様には、心から感謝の意を表しますと共に、これからもどうぞ温かい目で見守って頂けますようよろしくお願い致します!
三宅島 くさや販売 清漁水産 青山敏行 |
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支援のきっかけは去年の新潟県中越地震に遡ります。草間さんは、「みたかモールで商品を買えば、配送料をタダにします。その一部でもいいから地震の義援金に寄付してほしい」と呼びかけました。それと同じ意味合いで、「みたかモールでくさやを買ってくれたら、それが三宅島の支援になりますよ」と、今年2月に「くさや」の販売を始めたのです。
取り扱っているのは、水産加工会社「清漁水産」の「くさや」。代表の青山敏行さんは長年「くさや」を作ってきましたが、島外に避難し、他の仕事をしていました。しかし、2年半前に誘われて、隣の新島で工場を借り、製造、販売を再開したんです。その後、知人を介して草間さんと知り合ったということです。
青山さんも避難指示の解除と共に、島に戻りました。3月に、くさやをつけこむ「たれ」も三宅島に移し、「くさや」を作り始めました。「くさや」の味を決めるのは「春トビウオ」や「青ムロアジ」といった魚をつけ込む「たれ」。三宅島で長年使っていた「たれ」は避難中、ダメになってしまったので、新島で新しい「たれ」を分けてもらって使っていましたが、心配していた移動中の変質もなく、「三宅の味が戻ってきた。いい味出してますよ」ということでした。製造が軌道に乗れば、噴火前にはなかった新しい出荷の仕組みなども作ってゆきたいと話していました。
青山さんは「4年半ずっと辛抱してきたので、その分はじけて行きたい。不幸なことだったけど、この経験は三宅の人にしかない。学んだことは一杯あると思うんです。それを踏まえて、新しいことをやっていきたい」と話します。
仕事を再開する一方、青山さんが考えているのは祭りの復活です。自らも太鼓の名手の青山さんですが、自分が住む神着地区の「神着木遣り太鼓」や島ぐるみの大祭をぜひ復活させたいそうです。「祭りを復活させることで、人のつながりを取り戻して、元気な三宅にして行きたいですね」と話していました。「みたかモール」の草間さんも、「くさや」以外の商品を増やすことを検討するだけでなく、三宅の人が何を考え、どういう生活をしているのか、といった三宅島情報も発信してゆきたいと考えています。