2月5日の人権トゥデイは、難病の患者たちの置かれている状況についてお送りしました。
皆さん、潰瘍性大腸炎疾患や、クローン病という病気を知っていますか?
これは、病気の原因や治療方法が未だ分かっておらず、なおすのが難しい「難病」の一つに指定されている病気なんです。
現在、全国にクローン病でおよそ2万人、潰瘍性大腸炎は5万人ほどの患者がいますが、他の病気に比べると数がかなり少なく、まだまだ知られていません。
その病気の患者たちが、5年前に埼玉県さいたま市に出版社「三雲社」を作りました。
現在、7人の方が働いていて、全員この病気の患者なんです。

串間努代表取締役に「なぜ自分たちで会社を作ったのか」伺いました。
串間さんによると、その病気の患者たちは、就職が難しいのがあって、それなら同じ患者同士で会社作れば、病院に行ったり入院したりしても辞めずにすむなど、メリットがあると思って設立したそうです。
お互い、薬を飲んでいても気になりませんし、ガスを出しても大丈夫ですし、平日に病院行こうとお互い様。
患者同士のメリットは大きいそうです。
こちらの三雲社で出版しているのは、難病についての本が中心ですが、フリーペーパーも出しているんです。
やはりクローン病と潰瘍性大腸炎だけではなく、疾患すべてに対する情報を提供したいと思いまして、難病文庫という手軽なハンドブックを低価格で手に取れる形にしたいと思っていたんですが、コストがかかるので、病院の入院患者のためにフリーペーパーを発行して、そこへの広告収入を原資とすることにしたそうです。

こちらが三雲社が発行しているフリーペーパー「テレビ・ホスピタル」です。
内容は、入院中の患者のために、テレビの番組表やクロスワードパズルなどを載せています。
しかし、この「テレビ・ホスピタル」の発行は、あくまで難病文庫を出すための資金集めなんです。
マイナーな疾患で、日本に100人、1000人しかいないというような病気の場合はそういったハンドブックがなかなか無く、あっても医学的な非常に高価な学術書になってしまうそうです。
そういう不安が分かる串間さんたちは、その不安を和らげたいとハンドブックの出版を考えています。
この会社を5年運営してみて、串間さんは周りのフォローや理解があれば、難病とか病気を持ちながらも社会の人たちと同じように働き、税金払って国のために働くのは可能だと感じたそうです。
その理解やフォローする気持ちを持つためにも、私たちも難病についてもっと知らなければならないですね。
「難病文庫」の発行が待たれますね。