
外国人の数が増えるのに伴って、日本語の学習を必要とする子供たちが増えています。
そういう子供たちに勉強を教える教室を開いているのが、「CCS=世界の子どもと手をつなぐ学生の会」の大学生ボランティア達です。
現在代表をつとめる大学4年、中西久恵さんによりますと、「一年、二年日本にいる子でも、日常会話は出来るようになっても、数学の関数の切片とか傾きとか、歴史の将軍とか幕府とか、日常会話で使わない言葉はやはり難しい」そうです。そして、学校の先生達が、「日本語がしゃべれるのに、成績が悪いのはこの子が勉強をサボっているからだ」とレッテルを貼ってしまう例も多いそうです。ちゃんとサポートしている学校もあるのでしょうが、期間が短かったり、授業数が少なかったりと、日常会話を学ぶので手一杯。教科の勉強までは手が回らない状態です。落ちこぼれて、学校が嫌いになる子も多いので、CCSが補習のような形でサポートするわけです。
教室は週1〜2回で、八王子や目黒など都内に6箇所。中国、フィリピン、ペルーと、アジアからラテンアメリカまで文化的背景も様々な子供たちです。
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CCSの中西代表に取材する池田キャスター |
武蔵野市の「武蔵境教室」を池田亜希子・情報キャスターが取材したのですが、勉強は2人1組で、子どものペースに合わせ、学校で使っている教材や宿題を元に教えます。時には、独自の教材を使ったり、トランプで足し算やかけ算の練習をするなど遊びも取り入れます。
楽しそうに勉強していましたが、将来の進路や、学校での悩みなどを相談している姿もみられます。ケースバイケースですが、学校の進路相談に立ち会うこともあるし、外国人ということでイジメがあったら、先生と連絡をとって、相談することもあるそうです。
子供のためには、家庭のプライバシーに関わる事を聞くこともあるそうですが、目黒教室の堀口満里絵さんは「子供達が助けを求めている限り、こちらは助ける。だから聞かなくちゃならない」と話していました。
学生達は、親でも先生でもない、「頼れるお兄さんお姉さん」みたいな存在のようで、池田キャスターは「CCSは子供達にとって安心できる居場所であると共に、学生達のサポートで、学力だけではない、生きていく力を身につける場所になっている」と感じたそうです。