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「区民レスキュー隊」にインタビューする山口キャスター。 |
今年の夏は、新潟や福井の集中豪雨や、大型の台風上陸などの災害が相次ぎ、ひとり暮らしや寝たきり、身体に障害があるといった理由で、避難の情報が届かなかったり、避難が遅れて、多くの方が犠牲になりました。
65歳以上の高齢者が2割を占める東京・荒川区には「区民レスキュー隊」というボランティア活動が広がっています。
8年前から活動している南千住6丁目本町会「区民レスキュー隊」の隊長、山崎勲さんは
取り組んだきっかけについて、「阪神大震災の経験というか反省です。荒川区は狭いところが多くて、消防車も入れないし、来ても地域の実情を知らないから効果的な救助や消火活動ができない。最低3日は地域の住民でなんとかしなくちゃ」と説明してくれました。
町会の防災倉庫には、発電機やチェーンソー、バール、ジャッキ、救急箱。33人の隊員で、いざという時動ける状態にある人が、道具を使って、高齢者や障害者を優先に救助します。山口智子・情報キャスターは実際に町を歩いてみましたが、「大きな通りから少し住宅街の中に入ってしまうと、車も入れないくらい細い路地が続く。地域の人の方が消防よりも動きやすい」と実感しました。
道具の使用法や指揮の訓練などを2ヶ月に一度。町会全体の大きな訓練が1年に1回。消防署の救命講習を受けたりもしています。
そして、大事なのが、1人暮らしの高齢者や障害者がどこにいるのか、町内の実情を把握すること。隊員が持っている地図には、高齢者のいる家や、消火器や消火栓が街のどこにあるのか、一目でわかるようになっています。プライバシーには配慮しつつ、普段から「声をかける」といったこともしながら、実情をうまく把握しているということでした。
「隣近所の顔すらわからない」町も多いと思いますが、「日頃からの付き合い」があると、いざという時の助けになるようです。この町内の神社では毎年、お祭りが盛大に行われているんですが、
「祭りがちゃんと残っている町は結束力も強いんだよ」と町会長の内山富雄さんは話していました。
「災害弱者」への取り組みはその町の状況に応じて様々ですが、大事なのは
1,住んでいる一人一人の防災への意識を高めること。
2,日頃からの近所付き合いを通じた情報収集。
この2つのようです。