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「ナイトケアパトロール」の機材について説明を受ける池田キャスター |
在宅の高齢者が、住み慣れた地域で自立した生活を送るためには、どう支援をしたらよいのか?試行錯誤が始まっています。
東京・千代田区の社会福祉協議会が7月から始めたのが、ちょっとした「お困りごと」があった時、いつでも誰かが来てくれるサービス。対象は75歳以上の高齢者、障害者だけの世帯で、電話の受付は24時間。千代田区が募集した協力員が連絡を受けて出向きます。
依頼できる内容は協力員が短時間で簡単にできること。高いところの電球が切れたとか、重い荷物の上げ下ろしとか、手紙の代筆や代読、蛇口のパッキンの交換や家具の移動………。誰でもできるけど、年をとるとちょっと難しくなることばかりです。
利用料は1回200円で、部品購入代などは自己負担。専門技術がいるようなことは、専門の業者を紹介するそうです。
一方、簡単な「困りごと」だけでなく、「介護」の分野でも24時間のサービスが始まっています。世田谷区の北沢地区で今年の1月から始まったのが「ナイトケアパトロール」。厚生労働省のモデル事業で、「ジャパンケアサービス」が世田谷区から委託されています。
サービスは夜の10時から朝の7時まで。あらかじめ登録した高齢者は必要な時、手元のペンダントのようなコールボタンを押します。すると介護ステーションにすぐつながり、待機していたヘルパーと看護師が駆けつけます。
排泄や就寝の介助、ベッドから転落してしまったという場合の救出介助。家族が留守で困ったという場合もあるので、自宅の中の下見をしたり、話し合って鍵を預かったり。呼び出しに備えて事前に入念な準備をしています。
コールボタンが押されたらどう対応するか、など、池田亜希子・情報キャスターに教えてくれた加藤直美さんは「普通の介護サービスは時間が決まっていますが、この「ナイトケアパトロール」は随時サービス。施設に入所せずに、住み慣れた自宅で長く暮らすためには、普通のサービスと随時サービスの組み合わせが必要になるのでは」と話していました。
千代田区の「24時間困りごと相談」も、世田谷区の「ナイトケアパトロール」も今後、他の自治体への広がりが期待されます。