
ブラジルから働きに来た「日系ブラジル人」の子供達の教育問題が各地で生じています。
日本へ来た時の年齢や、親の日本語教育に対する考え方などから、子供の日本語のレベルは様々です。しかし、公立の小中学校は子供の年齢で編入する学年を決めるので、授業についていけない、その結果、友達ができない、学校になじめない、いじめられるといった理由で、学校に行かない子供達が一時増えました。
綾部峰雪・情報キャスターが取材したのは群馬県大泉町の「日伯学園」。日本とブラジルの国旗が飾られた教室にはポルトガル語が飛び交い、耳にピアスといったおしゃれをする子供も多く、ちょっと異国の雰囲気です。
普通の教科はポルトガル語で勉強。そして毎日1時間、必ず日本語の授業があります。遅れた「学力」を取り戻すと共に、日本語力も必要だと、学園を作った「大泉日伯センター」の高野祥子さんが考えているからです。「日本へ働きに来たのは一時的なもので、将来はブラジルに戻りたい」と考えている日系人は多いのですが、ブラジルの経済情勢が悪化している現状では「帰りたくても帰れません」。なので、「日本で生きていく力」もつけてほしいということなんです。
「将来が見えない」日系の子供達ですが、二つの言葉、文化を身につけることは、日本でもブラジルでもきっと彼らの「武器」になる、と高野さんは期待を込めて語っていました。