
空き巣や引ったくり、自販機荒らし、自転車泥棒。犯罪が急増しています。捜査の強化や防犯カメラの設置といった対策が取られる一方、住民の自主的な防犯の取り組みも各地に登場しています。
東京・杉並区の荻窪駅近くの町内会が行っている「わんわんパトロール」を池田亜希子・情報キャスターが取材しました。
犬を飼っている人は毎日散歩をしますが、その「お散歩」がそのまま「防犯パトロール」になります。いつ、どこを散歩するかは飼い主の自由。腕章をつけ、「わんわんパトロール」とかかれた帽子とバッグを持っています。散歩中にはちょっとあたりに目を配り、不審な人やいつもと違う状況を見かけたら、できる範囲で110番通報をしたり、声をかけたりするんです。
その結果、南荻窪の一丁目から四丁目で、一昨年と去年を比べると引ったくりが18件→8件。空き巣が51件→36件。「神明町文化会」会長の光森一誠さんによると、「いつどこに出てくるかわからないパトロール」を泥棒はいやがるんだそうで、その効果が現れたようです。荻窪駅の北の方にも、ここを参考にして「わんわんパトロール」が誕生しましたし、東京都も積極的に取り組みを紹介しています。全国では60近いグループが活動しているようです。
この無理なくできる「わんわんパトロール」。現在110匹の犬と飼い主が参加していますが、皆さん、地元の色々な情報を交換したり、徘徊のお年寄りを保護したり、パトロール中に公園のゴミを拾ったり。最近なくなりがちな「近所のおつきあい」が新しい形で復活しているのではないでしょうか?