第1話 2013年7月18日放送
恭之助の苦悩
世左衛門「大体、他に何も取り柄もないお前が、芸を磨かないで、どうやって生きていくつもりだ？」
恭之助「他に取り柄がない？そりゃそうだよ、歌舞伎しかやらされてねえんだから。俺は好きでこの家に生まれた訳じゃねーし、跡を継ぎたいって頼んだ覚えもない。気付いたときにはもう、この道を歩かされてた。他の選択肢なんてなかった。大根だ、七光りだって叩かれて。それでもしょーがねえから、やりたくもねぇのに稽古だってやって来たよ！何でガミガミ説教ばっかされまきゃなんねんだ！冗談じゃねーよ！」
世左衛門「お前はいつもそうだ。向き合うべきことから目を逸らし、自分で乗り越えようともせず、上手くいかなければ人のせいにする。これ以上、失望させるな」
恭之助「出来の悪い息子で悪かったな。けど、こっちだって、ウンザリなんだよ。名門だか何だか知らねーけど、この家と自分のメンツを守ることしか頭にねぇ親父なんか…ウンザリなんだよっ！」