ニュースの視点

ニュースの視点 午後3:00〜4:00 再放送 同日午後9:00〜10:00

事件・事故や政局、環境や教育問題、経済の動向から国際政治まで・・・。限られた時間では、伝えきれない事実や真実、捉え方があります。「ニュースの視点」では、時事問題の中から毎日一つのテーマを絞り、時にはゲストや専門家を招いたり、現場から生中継を繋いだり、ニュースバードのキャスターが、政治部、経済部、社会部、海外特派員などの現役記者や解説委員と共に、ニュースの本質に迫ります。

2018年05月11日放送

#2534「イラク・シリア 現地は」

解説   :フォトジャーナリスト 安田菜津紀さん
キャスター:尾島沙緒里

【テーマ】
「大量破壊兵器を開発している」。アメリカがこう宣言をして始めたイラク戦争から15年。この間のイラクの歩みは政府内の大規模な腐敗、そして、過激派組織「イスラム国」の台頭を許したテロの連続でした。いまでも、毎年1万人を超える市民が爆弾テロなどの暴力で死亡しています。一方、シリアに目を移せば、アメリカ、イギリス、フランスの3か国がアサド政権の化学兵器使用を理由にシリアへの軍事攻撃に踏み切るなど混乱はいまだ収まりそうにありません。イラクとシリアの取材を続けているフォトジャーナリストの安田菜津紀さんに話を聞きます。
【放送後記】
イラク戦争から15年、シリア内戦からは7年が経ちました。「イスラム国」が事実上崩壊した後のイラクとシリアの様子を、安田さんが撮った写真を見ながら伺いました。中東は地理的に日本から遠い上に、宗教・民族・文化の点から見ても日本人にはなじみが薄い、分かりにくいと感じられる方も少なくないのではないでしょうか。ニュースを読んでいて強く思うのが、「○○という国で、○○人が死亡しました」という内だと、”情報、データ”として受け止めてしまいやすいという事。一方で、写真を通して「この建物は○○、この人は○○さん」と聞くと、大変な日々を送っている1人1人の姿がちゃんと見えて、思いを馳せやすくなると思います。大勢の裏には個人がいる、という事に改めて気付かされました。安田さんは「私たちの”無視”が、現地の人を傷付けている」と仰っていました。興味を持つ、知る、更には活動に参加したり募金したり、行動を起こす事が大事だと感じました。(尾島沙緒里)

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2018年05月10日放送

#2533「内戦続くイエメン 取材報告」

ゲスト  :フォトジャーナリスト 久保田弘信さん
キャスター:大鋸友紀

【テーマ】
中東イエメンで続く内戦。周辺国の介入で泥沼化した内戦では多くの市民が犠牲となり、国民の8割が緊急人道支援を必要としています。一方、現地の状況を伝える報道は決して多くありません。内戦開始以降初めて、日本人ジャーナリストとして現地を取材した久保田弘信さんにイエメンの今を詳しく伺います。
【放送後記】
「内戦」と聞いて最初に浮かぶ国はどこでしょうか。最近のニュースではシリア内戦が報じられることが多々ありますが、同じ中東に位置する国・イエメンには、2200万人に人道支援が必要で「世界最悪の人道危機」とまで言わしめた現状があります。しかし、イエメンという国で内戦が起こっているということを知っている人すらとても少ないのではないでしょうか。その「現状」と「認知」に大きな差があるということが、この内戦が終結へ向かうための最も大きな壁のように思います。これだけ悲惨な状況であるにも関わらず、知られていないのです。
特に印象的だったのは、ヒジャブを纏った女性たちが自らの住まいに男性である久保田さんを招き入れていた様子です。これは通常、ありえない事なのだそうです。それにもかかわらず積極的に中へ誘導し、撮影するよう促しているのは「この惨状を広く伝えて欲しい」という必死の訴えを物語っているようだと、久保田さんは振り返っていました。
では、私たちに何ができるかというと、まずは「知ること」。イエメンの人たちは、日本のことをとても良く思っています。広島、長崎に原爆が落ちたことも知っているそうです。そして日本は、この内戦で中立の立場をとっている稀な国でもあります。私たちのことを知ってくれているイエメンの人たちに、私たちができること、決して小さなことではないはずです。
国民同士はいがみあってなどいません。もうやめよう、という声が世界中で大きくなれば、この国は平和に向けて動きだすのではないかと思います。(大鋸友紀)

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