『南極大陸』セリフ紹介

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第七話より

「 宗谷 」 ・ 通路にて

「 バートンアイランド号 」 に助けられた 「 宗谷 」。

内海
先生、『バートンアイランド号』がここを離れるって言っているって本当ですか?
白崎
本当です
鮫島
船木
内海
そもそもなんで、俺たち全員、現場の引き継ぎもなしで、船に引き揚げたんですか?これって最悪、犬だけ南極に取り残されるかもしれないってことですよね?
白崎
星野
そうするしかなかったんですよ。この氷の読めへん状況やったら、そうせざるを得へんかったんです。『宗谷』は、スクリューも壊れて、もう自力脱出でけへんのですわ
一同
!?
白崎
ただ、犬たちを置き去りにしてしまう可能性が…。こうなった責任はすべて私にあります。
星野
白崎はん
白崎
でも、最後まで希望は捨てません。なんとしても、犬たちを救わなければ。

「 ・バートンアイランド号 ・」 ・ 艦長室にて

白崎
ブリザードが収まるまで、ここに留まってもらえませんか?
艦長
無理です。我々も全滅してしまいます!
星野
大陸に置いてきた犬を避難させる時間が欲しいだけなんです
艦長
今、まず優先すべきは人命です。この氷から脱出する事が、我々と 「 宗谷 」 の唯一の道まんですよ
白崎
キャプテン。どうか、犬たちを船に引き揚げるほんの少しの時間だけでいいんです。待ってもらえませんか?お願いします (と土下座する。)
白崎
犬達は、我々の仲間なんです!
艦長
我々もこの氷で体力が無くなっているんですよ。お願いです、ここから脱出させて下さい
白崎

「 宗谷 」 ・ 岩城の部屋にて

岩城
遭難?
氷室
はい。ボツンヌーテンに行った帰りに
岩城
氷室
その時、助けてくれたのが犬だったんです
岩城
犬が?
氷室
僕も最初は信じられませんでした。けれど… 犬たちが僕を生かしてくれたんです
岩城
氷室
その犬を北海道中駆け回って集めて、訓練して、育てあげたのが、倉持です
岩城
氷室
あいつね、基地を出る時、犬の首輪を一頭一頭、締め直して回っただそうです。それって、岩城さんたちがすぐに来てくれると、あいつが信じてたからだと僕は思うんです
岩城

「 宗谷 」 ・ 食堂兼会議室にて

白崎
申し訳ありません
一同
白崎
この状況ではセスナを飛ばすことは出来ません。燃料も底を尽き始めています
一同
白崎
諦めるしか… ありません
一同
白崎
第二次越冬隊を断念し、今から 『 宗谷 』 は、帰国の途につきます
一同
氷室
(拳を握り締めて…)

堪らず前にでて、杖を捨て白崎の胸ぐらを掴む氷室。

一同
!!
氷室
こんなことが許されていいんですか ?!
白崎
氷室
僕は、犬たちに命を救われました。今、僕は生きているのは、あいつらのお陰なんです。
星野
氷室はん
氷室
それなのに、たった十五頭の命をどうして助けに行けないんだ!
星野
氷室はん
白崎
申し訳ない

「 宗谷 」 ・ 食堂兼会議室にて

倉持
先生。セスナ、飛ばしてください
白崎
!?
倉持
一回でいいんで。あいつらのところに行かせてください
白崎
倉持
たった一回でいいんです!セスナを飛ばしてください

薬の小瓶を見せる倉持

倉持
これであいつらの命を絶ってきます!
内海
倉持、お前!
倉持
どうせ助けられないんだったら… 鎖につながれたまま飢え死にさせるくらいなら、苦しませずに死なせてやりたいんです
星野
倉持はん、それは間違ってます!
倉持
間違ってても、こうするしかないんです!先生、お願いします。セスナ飛ばして下さい。お願いします!

星野、倉持を殴る。

倉持
星野
南極憲法第二条。誰も死なへん事。みんなで決めたやないですか…。倉持はん、あきまへんよ!
倉持
氷室
一同
白崎
本当に申し訳ない… 『 宗谷 』 には、もう力が残ってないんだ
倉持
白崎
申し訳ない
氷室
じゃあ、犬たちは…
一同
(胸が引き裂かれる思いで、涙がこぼれる)

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