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報道の魂
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2021年2月21日 放送
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「サーモンピープル ~アイヌ“先住権”を求めて~」

2020年8月、日本ではじめてアイヌの「先住権」の確認を求める裁判が提訴された。提訴したのは、北海道浦幌町のアイヌ集団「ラポロアイヌネイション」のメンバー。彼らは河川での経済的なサケ捕獲は先住民族の集団が持つ権利であり、これを禁じた法律や規則が適用されないことの確認を国と北海道に求めたのだ。

「アイヌの権利を集団として取り戻したい」そのきっかけは、明治から昭和にかけて、科学者たちによって持ち出された遺骨の返還を求めたことだった。裁判で遺骨の返還を成しえていく中で、「アイヌ」に目覚めていったのだ。

さらに遺骨とともに返還された副葬品の中に、漁で使う漁具「アバリ(綱針)」が見つかった。それは祖先のアイヌが川でサケを捕っていた証拠でもあった。そして彼らは先住権の事例を学ぶため、アメリカに飛んだ。そこで見たのは先住権を得て自活する人たちの姿だった。

彼らは去年9月、初漁のサケの祭りであるアイヌ民族の伝統儀式「アシリチェップノミ」を初めて行った。伝統儀式が初めてなのは、明治政府の同化政策によってアイヌの風習が断ち切られていたためだ。

なぜ彼らはサケの捕獲を求めるのか、その先にどんな未来を描いているのか。日本で生きるアイヌとして、立ち上がった人たちの今を見つめる。


制作:TBSテレビ
ディレクター:寺田和弘

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