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第七〇九回('18年8月19日 放送)
「激突総裁選〜『安倍3選』の裏」

ゲスト: 村上誠一郎 氏/増田寛也 氏

御厨

「何やら突然ですが、安倍総理は3選すれば臨時国会に自民党の憲法改正案を出すということです。村上さん、どうなんでしょう。議員票7割なんで、勝つことは分かっているわけですけどね」

村上

「いや、これはですね、憲法改正についてですね、非常にちょっと安易に考えてらっしゃるんじゃないかなと。要するに、例えばですね、憲法9条をとか集団的自衛権っていうものは非常に意見の対立が激しいわけですね。それを果たして拙速でやっていいものだろうかと。特に憲法9条をですね、今の案で行くと1項と2項をそのままにして3項を書き加えたらですね、自衛隊が合憲であるっていう正文に成り得るっていうんですけど、まあ私は浅学非才ですから、あれですけれども、私の考えでは、まあ石破氏もそうですが、私は無理だと思うんですね。つまり1項と2項をそのままにして3項を書き加えてですね、整合性が取れる改正案が出来るんだろうかと。そういう事もあるし、それからやはりですね、私はそういう先鋭的なものをやるよりは先にですね、例えば知る権利だとか環境権とかですね、今問題になっている解散権の乱用をどう制限するかっていう。一般の国民の人がですねわかりやすい、議論しやすいところからですね私は入るべきじゃないかと考えています」

御厨

「なるほど。増田さんどうでしょうか。総裁選に勝つことで党内議論を決着させると、総理側近は言ってるわけですが、既に議員票7割固めた中での発言です」

増田

「2012年、確か、まだ自民党が野党時代にですね、自民党として憲法改正草案をまとめて、まあその時は9条の2項のね、戦力不保持規定をですね、やっぱり削除して自衛隊を戦力として位置付けるんだけども、色んな運用の仕方については色々歯止めをかけると。まあこれは今の自民党としての党としての恐らく1つの合意到達点なんじゃないかなと私は思うんですね。それはあの与党野党関係なく、当時は党として恐らく議論されたはずですから。で、やはり憲法のこういう問題は、いま村上さんがおっしゃったように大変重要な議論ですので、もちろん国民的な議論も当然大事ですし、その前にやはり政党として十分な議論が必要で、特に自民党の場合には憲法改正ということをですね、党の中ではっきりとこう今まで謳ってきたところですから。やっぱり国民に分かる議論をしっかりやっていただきたいなと。で、そうするとどうしても時間がね、おしりを区切ったような議論っていうのは私は不十分じゃないかなと思いますね」