「まず政治のやり方、取り組みということにおいて、ひとつ考えなければならないのは、政治のやり方、進め方、物事の決め方として、トップダウンかボトムアップかという議論があります。要はトップが決めてそれを下に徹底する、これがトップダウンです。皆で議論して議論を積み上げて結論を出していく、これがボトムアップです。
日本においてはですね、かつて縦割り行政の弊害などと言われて、なかなか物事が決められない、やはり世界の迅速な動きに対応するためには、トップダウンで物事を決める必要があるんではないか。そういった発想で行政改革を党も進められて、官邸や政府に権限を集中する、こういった取り組みが進められました。このトップダウンということはもちろん大事なことだと思います。ただ、最近はトップダウンが効き過ぎてですね、どうも官僚が萎縮しているんではないかとか、自民党と政府、政府と与党の関係を見ても、どうも与党の議論が十分反映されないのではないかとか、そんな指摘もあります。
結論から言いますとですね、これ、トップダウンとボトムアップどちらが正解というものではないと思うんです。やはり必要な時にトップダウンを活用し、そして必要な時にボトムアップを活用する。その使い分けが出来る政治こそ、賢い政治なのではないかと思います。やはり世の中においても、何でもかんでも中央や大企業から押し付けられるというのでは皆さん納得いかないということがあるんだと思います。この使い分けが出来る賢い政治を実現しなければいけない。そして、その基準はですね、やっぱり国民の納得感とか国民の安心感なのではないか。こういったことについても、今一度考えてみる必要があるんじゃないか、こんなことは申し上げています」
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