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第六九三回('18年4月29日 放送)
 「『動く世界』と『動けぬ日本』」

ゲスト: 石破茂 氏/玉木雄一郎 氏

御厨

「さあ、石破さんはこのセクハラ問題、どうご覧になってます」

石破

「時代とずれてるんですよね。だから、前次官の福田さんが『今の時代ってそんな時代なのかな』っていうね、コメントをしてらっしゃいましたけども。いや、今の時代はそうなんですよ。だからそこに中央官庁、その税金を頂きそれを使う計画を作るという財務省においてそうなのかね、ということであってね。

またその「言葉遊び」っていうね、そういう発言を聞いた時に私はかなり愕然としたんですがね。そういう「言葉遊び」なら許されるのかい、ということであってね。これは本当に政治行政にたずさわる、我々も特別職国家公務員ですがね、そういう立場にあるものは、こういう事に対して本当に身を正していかなければいけないということだと思うし。また、初動というんですかね、危機管理の初動が非常にまずかったと思いますね。

そして最後も、金曜日でしたっけか、処分。減給20%、それを退職金から差っ引くっていう話ですが。で、それは財務省として認めたわけですよね、だからそうするわけでしょ。ですけどご本人は認めてらっしゃらないし。そしてまた『次官の職務に支障をきたすようになったので辞めるのだ』という話ですから、財務省の結論とずれてるわけですよね、ここはね。一体何なんだと。一体、政府全体としてどう考えるんだと。ということは、国民の方々が、なんかよく分からないね、なんかすっきりしないね、という思いはあるので。

我々として、税金頂いているわけですから、それを使わせて頂いているわけですから。そこはやはり信頼を取り戻す努力っていうのは、我々与党としてもさらにしていかなきゃいかんと思いますね」

御厨

「玉木さんは、財務省出身として、財務次官のこのセクハラ問題どうご覧になります」

玉木

「時代錯誤だと思いますね。私の時もそうでしたけど、同期入省するのが20数名いるんですが、最近はちょっと違ってますけど、我々の頃はみんな男性で、たまに女性がひとりいるかなという、もう男性だらけの職場なんですよ。そういう中でね、ひとつの文化が築かれていき、そのことが化石のように残り続けですね、時代の変化に全く合わなくなっていて、おかしいんだという意識さえ育まれなかった結果ではないかなという気もします。女性活躍ということを、今政権としても掲げて安倍政権はやっておられますけれども、非常にその女性活躍ということからは遠いし。

また、麻生さんの発言がちょっと私は酷いと思いますね。『はめられた』とかですね、抗議文書を『小さな字が書いてある程度にしか見なかった』とか、被害女性がこれを聞いたらどう思うんだと。こういうことを言われるから、いわゆる二次被害のようなものがあるから言い出せないんですよ。こういう感覚を根っこから変えない限りはですね、セクハラはなくならないし、女性問題という言われ方しますけど、男性の問題であって男性の意識の問題だと思いますから。これはもう、率先して大臣が変えていかなければなりませんし、変えられないのなら麻生大臣はやっぱり責任を取るべきだと私は思います」