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第六八四回('18年2月18日 放送)
 「イロイロ動いて」

ゲスト: 藤井裕久 氏/片山善博 氏

御厨

「さあ、問題となっているのは、学園との交渉記録を破棄したと答弁を繰り返した当時の佐川理財局長。今回、国税庁長官に昇進しているわけですが、こんなに記録が出てきて、答弁の問題っていうのを片山さんはどう見てらっしゃる」

片山

「どう見ても、当時の局長の答弁っていうのは、信憑性が薄くなりましたよね。どうしてそういう答弁をしたのか。いま新しい事実が出てきた時に、当時の答弁をした当の本人はどう思っているのか。それはやっぱり正さないといけないと思いますよね。これでうやむやに済ますわけにはいかないですよね。是非それは、国会での答弁の後始末の話ですから。国会がきちっとこれについて説明責任を求めるということをやらないといけないと思います」

御厨

「藤井さん。記録が無かったと言っていたわけですね。しかし、麻生財務大臣は捨てたのは交渉記録で、これは省内での法律相談記録だと。この言い方をどうご覧になりますか。そんな言い訳の仕方が財務省にはあるんですか」

藤井

「屁理屈ですね、こりゃ。屁理屈を述べているだけでね、もう負けてるんですよ、麻生さんは。私はですね、与党もやりました、野党もやりました、公務員もやりました。それから見るとですね、私はこう思ってるんですよ。与党のシンクタンクであるのが公務員だとは思うんです。ところがね、それは政策の話なんですよね。今やっているのは、政局なんですよ。そうしたらね、手を引くべきなんですよね。私は実はですね、佐藤栄作内閣の時にね、角さんがひっくり返すためにね、色々動いておられました。官房長官は竹下登さんだったんです。竹下さんはね、そういう会に出る時はもう君はいなくなってろと、いなくていいと。これがね、政治家のある姿だと思いますよ。で、僕らももう、これは政局の話だから全然タッチしませんという態度を取った。それが今ね、一緒になっちゃってるんですよね。政策じゃなくて政局まで、公務員が関与している。ですから、その最後の尻拭いは、片山さんも言われたようにですね、最後に説明しなきゃいけない。そして責任を取るべきだと私は思っています」

御厨

「さあ、そして佐川理財局長の答弁の内容の問題です。学園側と価格交渉したことはないと言っていたわけですが、今回、近畿財務局長の音声データでは、ゼロに近い金額にすると言っていたりしますね。後任の太田理財局は、価格ではなく金額のやり取りだと釈明をしました。片山さん、これはどうでしょう」

片山

「『価格ではなく金額だ』って意味不明ですけどね。これもね、将棋で言えば詰んじゃっているんですね、もう詭弁ですよね。麻生さんの先程の発言も詭弁ですよね。総理やられた方がね、そんな詭弁を弄すようなことはあってはいけないと私は思いますよね。それで私ね、当時からちょっと不思議に思ってたんですけど、国有地であっても、売却する時にはそれなりのやり取りがあって、瀬踏みしますよね。どれくらいなら買うんだろうか、どれくらいなら売ってくれるんだろうかって。それは価格交渉の一部ですよね、そういうことは通常ありますよ。それをことさら「ない」とかね、「そういうことはやり取りしてない」っていうことをあえて当時の答弁では強調してたのがね、そのこと自体、私は返って不自然だと思ったんですよ。やったっておかしくないんです本当は。最後に適正にその値段がいいのかどうか、相手がふさわしいかどうかをチェックする仕組みもあるわけですから。ところがね、なんにもそういうことしてないんだ、してないんだって、あえて距離を置こうとしたとことに返って不自然さがあって。ははぁん、これは何かね、やっぱりやり取りがあったっていうことは、別の力が働いたっていうことを匂わせてしまうから、ここはなかったことにしようと。というような判断が働いたんではないかなって勘ぐったりしましたよね。それが今回、端無くも出ているような気がします」