「だから大胆な金融緩和をやるでしょ。日銀が銀行の持っている国債を買うでしょ。そうすると、お金がワッと世の中に出回るという期待ね、実際に出回っているかどうかは別としてですよ。
だから、米でも野菜でもなんでもそうだけど、作り過ぎると値段が下がる。お金もいっぱい出回ると、お金の価値が下がってくるよね、という感じで。そうすると、そんなに金持っていてもしょうがないや、売ろう。ということになって円安が起こると。ここまでは教科書通りなんですよね。
で、日本の株って7割くらいが外国人投資家が売買してるから、そうすると今まで1000ドル出さなきゃ買えなかった日本の株が、800ドルで買える、お買い得だよねと。で、外国人投資家が買う、株が上がるということが起こっているわけで。大胆な金融緩和、円安、株高っていう、それは理屈通りのことが起こってるわけですよね。
じゃあそうすると、一人ひとりの暮らしって豊かになりましたか。株が上がって、それは輸出産業中心にして円が安くなって儲かりますわね、円に転換すれば上がるんだから。だけど、そういうことと関係のない方々、地域ってのはたくさんあるんじゃないかっていうことですよね。
だから、株は安いよりも高い方が良い、円も適正水準な方が良いに決まってて、極端な円高なんて良くないに決まってる。だけど、これから先やっていかないといけないことは、実際に物価が上昇するってことも大事だけど、デフレ脱却のためにね、でも、一人ひとりの賃金が上がっていくか、もしくは可処分所得が上がっていくか、という方向に変えていかないと。せっかくアベノミクスで作った明るい雰囲気っていうものが台無しになっちゃうんじゃないか。せっかく作ったこういう状況を更に活かしていくために、何をすべきなのかなっていう、そのひとつが地方創生だったわけですよね。そして働き方改革であったわけで。だけど、その一つひとつの実効性っていうのを検証していかないと、株が高いことと円が安いことが政策目標ではありませんよっていうことですよね」
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