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第六五七回('17年7月23日 放送)
 「『信なくば立たず』〜ほえる“自民党良識派”」

ゲスト: 村上誠一郎 氏/片山善博 氏

御厨

「今回の稲田さんを巡る報道どうご覧になります」

村上

「私が非常に残念に思うのは、三軍の長としてね、自衛隊の皆さん方の命を預かってるんですね。実はその南スーダンの派遣については、非常に危険であるということで、私はもう最初から反対でしたし、なるべく早く撤退すべきだと。だけどそう判断する情報が日報なんですよね。その日報がないということはですね、私から言えばですね、無責任極まると。もしそれがないとすれば、日本の通信機能が機能してないということなんですね。そんなことはまずありえないと。そしてまた最近の報道見てると、一応2月の段階でですね、報告にいってるわけですよね。それで3月の段階でね、ああいう発言なさってるっていう事は、完全にですね、我々に対して本当のことを話してなかったってことなんですね。これはですね、正直申し上げて、やっぱり三軍の長としての資質の問題というか、それから政府のですね、要するに情報公開のですね、オープンにしなきゃいけないということに対してですね、その1番重要なことを隠したということは、やっぱりですね、責任を免れないと思いますね」

御厨

「片山さんいかがですか」

片山

「報道されていること稲田さんが主要なとこは否定されてますよね。報告受けてないとか、了承していない、隠蔽に加担してないとか言われてますが。ですから真偽のことはまだ定かではないんですが。ただ、状況見てますとね、もし私が稲田さんの立場で、自分は報告も受けてないのに、報告しましたよとか、了承してもらいましたよという報道が流れたら、これ名誉に関わることですから、それは絶対そんなことありませんって言ってですね、必死でそれを否定するはずです。ですけど、見てると、どうも何かむにゃむにゃむにゃとして、やっぱりこれは報道されてることが事実なのかなと思ってしまいますよね。もしそうだとすると、とっても重要な問題ありますけども、先程、村上さん言われましたけど、組織の長ですよね、しかも普通の役所とちょっと違う性格を持った組織の長ですよね。皆、命をかける人たちの集団ですよね。そこで仮に一旦了承してたことがあったとして、どうも後で具合悪くなったんで、私は知らないとか、了承してませんとかいうトップですとね。これはもう組織としては成り立たないですよね。何のために自分たちは報告したんだろうか、了承とったんだろうか。それなのに都合悪いときは、ぱっとはしごを外されてあなた達の責任とか言われたらですね、やってられないですよね。ですからこれはね、正直申し上げますと、やっぱりもし本当ならばトップの資質の問題に関わると思いますね」

御厨

「どうも情報は陸上自衛隊から出ているのではないかという見方もあって、そうならば武器を持つ実力組織を文民がコントロールできてないんじゃないかという見方もあります。その状態、これ村上さんどういうふうにご覧になります」

村上

「これはね、やっぱりシビリアンコントロールが原則なんですよね。それでちょっと私には不可解なんだけど、その防衛省なり、自衛隊の組織がね、本当に正常に動いているのかなと。なんかどっかでですね、隠蔽体質というか、そういうものが今の内閣に蔓延してるんじゃないかなと。それを非常にですね、心配してしますよね」

御厨

「片山さんいかがですか」

片山

「あのシビリアンコントロールというのは、まあ職業集団。特に、一般論で言いますと軍隊、軍人の集団だとどうしても好戦的になってしまうので、そういう弊害が出てくるので、組織が陥りやすい罠に陥らないようにっていうことで、それと全く違った文民がということで、当然その原理なんですけども。文民であれば誰でもいいかってわけにいかないんですね。やっぱりそういう組織、集団をひとまとめにして、信頼を勝ち得るような、そういうやっぱり見識とか、なによりフェアでなければいけないですよね。自分にもし非があったらそれは率直に認めるという。それで、今回報道されていることが事実だとすると、そういう意味での資質、フェアな態度とか、それから組織内からの信望、信頼を得るという、そういう面がないんではないかってやっぱり言わざるを得ないですよね」