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第六四九回('17年5月28日 放送)
 「大荒れ『終盤国会』」

ゲスト: 石破茂 氏/玉木雄一郎 氏

御厨

「内閣府の「総理のご意向」との文書が出てきて、前川前文科次官存在を認める爆弾発言。この「加計学園獣医学部新設問題」ですけども、玉木さんどうなんでしょう。前川氏は「行政がゆがめられた」と言っているわけですけどね」

玉木

「つい最近まで行政のトップにおられた方ですね、その方がこれだけ明確におっしゃっている事の、非常に私は意義が大きい、重いと思いますね。で、そのおっしゃってるのはですね、官房長官はこの8枚くらいの文書があったものをですね、「信憑性がない」と。「怪文書」という言葉まで使って言われましたけれども。いやそれは確実に存在するんだと。で、調べてもらったら部下の人、後輩は持ってるという事までおっしゃっていましてね。その中にやっぱり総理からの意向、こういったことをやっぱり感じるものがあったし、そういったことを記述していることがあるし。で、こういったことは、あったことだから、あったことをないとすることはおかしいと。その、赤だったことを青と、あるいは黒だったことを白と言う事は出来ないということでおっしゃったので。これは非常に信憑性が高いし、きちんと証人喚問にも応じるとおっしゃってるわけですから、国会に来て頂いて話をしてもらえれば、私はもっと明確になると思いますから。これは与党側の協力も是非お願いしたいなと思います」

御厨

「玉木さん今こうおっしゃいましたけども、石破さんは前地方創生大臣で経緯に詳しいわけですけども、どうでしょう」

石破

「地方創生大臣というよりも、国家戦略特別区域担当大臣だったんですね。私が在任中、去年の8月の初めまでは加計の「か」の字も公の場で交わされたことはない。少なくとも私の前で交わされたことはない。総理のご意向とか官邸トップのとかそんな話は聞いたことも無い。少なくとも去年の8月までそんなことはなかったと思います。その怪文書だかなんだか知らないけど、それがあるかないかが問題じゃなくてね。私、前次官の会見、後でね、録画で見ましたけどね。前川さんが言ってたのは、行政が公平だったかということ。それが歪められたんじゃないかってことが彼の言葉としてあったわけです。だから怪文書が本物だったかどうだったか、あったかなかったかってことがことの本質じゃなくて。本当にきちんとした行政が行われたのであれば、加計だろうが何だろうが認められなきゃおかしいでしょうよ。だから、そこが問われるわけだし。もう加計が開学するよって決まったわけじゃないんですよね。文科省から今審議会に、どうなんでしょうねってことで諮問してる段階なんだから。そこにおいて最終的判断がなされるっていう状況なので、今あたかもね、何かが決まってしまったっていう、そういう報道は、私あまり正確を欠くんじゃないかなっていう気がしますね」

御厨

「もうひとつ前文科次官について、出会い系のバーに通っていたというスキャンダル。これを読売新聞が報道したわけですけども。玉木さん、どうなんでしょうね。会見では実地の視察調査と説明をしてますけども」

玉木

「まあご本人も行ったことは認めておられるんですが。ちょっと私、この加計学園の問題と出会い系バーに行ったことは少し分けて考えた方が良いと思いますね。ちょっと少し異常とまでは言いませんけど、ちょっと異様だなと思ったのは、読売新聞にね、こういう記事が出たこと自体、どういう経緯なのかなと思いましてね。記事を読むと、必ずしも何か違法行為があるというふうに裏を取っているような記事でもないし。で、官房長官の会見、最近何回か聞いていますけども、これに基づいて随分と前川さんの個人攻撃をするようなことが多くて。少しちょっとそこは違和感を覚えますね」

御厨

「石破さんはいかがですか」

石破

「それはね、いや私そんなところ行ってませんとか、そう言ったわけではなくて。貧困の女性の方々の実態って何だろうということをね。それは官僚として、公務で行ったわけでは勿論ないですからね、公務で行けるわけもないんで。それは前川さんはきちんと認めてるわけですよね。だからその情報が何で出るのかしらねっていうのは、よく分からないんだけど。その、こういうスキャンダル系の話でね、事の本質が歪められるというかな、見誤ることがあってはいけないんだと思っています。やっぱり我が政権において、事務方トップの事務次官までなった人だと。それは政権としてこの人を事務次官に登用しているわけだから。その、辞める辞めないの時にね、ジタバタとか恋々ととか、それはやっぱり我々の政権として事務次官にしたわけだから、そのことの責任も勿論官房長官も感じてらっしゃるし、それだけに悔しい、残念だという思いがあったのかもしれませんがね」