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第六二〇回('16年10月23日 放送)
 「様々 起きて…」

ゲスト: 石破茂 氏/藤井裕久 氏

御厨

「さあ石破さん。年明けの解散の可能性については、どういうふうにご覧になってますか」

石破

「解散風ってのは、自然現象みたいに吹くものではなくて、誰かが吹かせるから吹くのでしょうよね。だから自民党の有力な方々が、解散あるぞあるぞって言うと吹くわけですよ。それは、我々は衆議院議員は常在戦場で、いつ解散あっても良い。それは我々の立場はそうなんです。

だけど、国民の側に立ってみると、今年参院選挙あったよね、衆議院の任期まだ2年経ってないよね、何を問うのと。だから予算が否決されたわけでもない、不信任案が通ったわけでもない、条約案が否決されたわけでもない。さすれば、何を問うのってことが必要になるんだと思うんです。

やっぱり国民に問うからには、何を問うんだということが明確であるべきで。その上で総理が決断をされたらば、それに我々は従うということですね。一般論ですけどね」

御厨

「藤井さんはいかがですか、この点は」

藤井

「私は二階さん昔から知ってますけどね。あれは本気じゃないんじゃないかと思ってますよ。まずですね、小泉さんの時の若手がゴロゴロ入った時。鳩山さんで同じような事が起こった時。みんな落っこちてるんですね。本当に10人くらいしか残ってない。それに対するケアだと思いますね。特に1、2回生でしょ、2012年組と2014年組なんですよ。これはもう全く何にもしないで入ったような連中ばかりなんですよ。ですから私は、二階さんは、それに対する警告だというふうに受け止めています。

大体今、なぜ選挙するのって、石破さんがおっしゃる通りでしてね。理由がないんですよ。特に前の参議院選挙の後ですね、世論調査がありました。48%の人が「こんなことで良いのか」。37%の人が「良かったね」なんですよ。つまりね、今度やればマイナスになることは間違いないんですよ。何人落ちるかは知りませんよ、マイナスになることは間違いない。

それからもうひとつね、御厨先生の前で大変恐縮ですがね、天皇陛下のお気持ちに対してね、僕はおかしな話だと思いますよ。天皇陛下は然るべき決意を述べられて、それの結果を出してくれとおっしゃってる時にですね、来国会をやめるのか、あるいは延ばすのか知りませんけどね、その時期を外そうとしてるとしか受け止められません。ですから私は、二階さんは本気じゃないと思っています。それから、同時にですね、本気じゃなくても本気になっちゃうことがあるんですよね。これが一番怖いと私は思っています」

御厨

「そして、自民党では総裁任期3期9年への延長というのが事実上決まりました。石破さんはこの点はどうお考えでしょう」

石破

「だから、知事さんや市長さんや町長さんでもね、3期12年で立派にやっておられる。長くやれば権力は腐敗するって言われるけど、長くやって立派にやってる人もいる、短くても腐敗する人はいる。だから長ければどうとか、短ければどうとかっていう話ではありません。

で、事実上決着したと言われますけど、党大会で決めるんですからね。党大会も経ないうちに事実上決着っていうのは、私はおかしなことだと思っているんですよ。そういう言われ方はね、それは党員に対して失礼なことだと思っているんですね。で、私たちが問われているのは、誰の方を見て物事を決めてるんですかってことだと思います。本当にこれが国民のためだ、国家のためだ、ってことであれば国民は支持して下さるし、それって自民党のためなんじゃないのってことになれば国民は支持して下さらない。

だから、決まった事にはみんなで従いますが、どっちの方向を見て決めてるんだろうねってことについては、我々は常に注意深くあらねばならないと思います」