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第六一七回('16年10月2日 放送)
 「秋の『議会』開幕…」

ゲスト: 増田寛也 氏/片山善博 氏

御厨

「まず増田さんにうかがっておきたいのは、小池都知事の所信表明をどうお聞きになったか。点数をつけるとしたら100点満点で何点でしょう」

増田

「豊洲の問題を一番最初に持ってきたというのは、これは水質の安全性の問題と、地下室のようなものがあったという構造上の問題があるんですが。それだけじゃなくて、そういうことが起きた原因がよくわからんという都政の意思決定の構造というか、都政の行政を進める体質の問題が、一番やっぱり都政の病巣みたいな形になっているんじゃないかと、狙いをつけてやられたんで。それを一番最初に持ってきて、それを突破口に色んな隅々の行政まで解明していこうというのは、これは非常に良いやり方だと私は思います」

「その今の段階で、それ以降の後半の部分で各分野の政策を言っていましたけれども、各論のところは総花的な感じになっていたので、なかなか点数付けづらいというか、もう少し様子見ないと分かりませんけども。問題意識は非常に良いんじゃないかなと思いますね」

御厨

「片山さん、ズバリ何点」

片山

「私は85点くらい。大学の成績だったら非常に良い評価ですよね。と言いますのはね、今までの都政に欠けていて、これから正さなきゃいけないというポイントがあるわけですね。そのひとつはやっぱり透明化ですね、透明化するということは都政の体質を変えることになりますから。このことを強調したいというのと、それから都議会ですね、都議会との向き合い方。都議会もちゃんとチェックして下さいと。全部根回しをして、無傷で議案通して下さいという態度じゃなくて、チェックしてもらって修正してもらっても良いという態度でしょうから。これは非常に評価出来ます」

「豊洲の問題を皮切りにして、都政の色んな構造上の問題を変えていくと。この心構えというのは大変良いと思います。15点引いたのはですね、公約に掲げていたことで曖昧にしていることがありますね。冒頭解散はどうなったんですかと。ちょうど冒頭なんですけど、やっぱりひと言ぐらい触れなきゃいけないですよね」

「それから、私ちょっと疑問にありますのはね、自らの報酬を半減しますって言うけどね、それは何の意味があるんだろうかと。都の人件費が高いんなら、都議会議員も都庁の職員もみんな含めて半減しますっていうなら分かりますよ。自分の働きが悪いから半減しますって、これは現状からは理解出来ないですよね、人一倍働かれるわけだから。だからあまり、その公約はちょっと間違ってましたとか、そんな釈明があってもよかったんじゃないかなと思います」

御厨

「なるほどね。さあそして、この都議会のドンと言われている内田都議。増田さんの選挙では中心的な役割を果たしてましたよね。ズバリどういう人なんですか、内田さん」

増田

「ああいう人ですね。ああいう人っていうのは、幹事長で今まで都議会まとめてた人ですから。私は構造というか、背景というか、今の都政の構造を見ると、明らかにここ数代の知事が職員と遊離していてですね」

「今よく二元代表制といって、知事と議会とね、知事部局と議会あるいは知事と都議会がお互いに牽制したり監視しあったり、あるいは協調してやっていくという二元代表制って言われますが。私はそれ以外に三元代表制と言いますか、あと職員というですね、知事と職員は完全に遊離して、知事が極々興味あることだけ職員が気を使いあとは自分たちで勝手にやるというですね、そういう構造があって」

「そこで、ああいう本当なのかわかりませんが、週刊誌などで色々書かれてますけど、ある種の神話みたいなものが出てきたんではないか。たぶん色々難しい問題、面倒なことについてですね、職員がいっぱい持ち込んでいるんで。それを色々調整するっていうことは、一方で行政を進めていく上で大事なことなんですね。それはたぶん知事がサボったり、それから今の知事と職員の構造の中で出てきた事ではないか」

「仕事の関係でお付き合いしたことはありませんが、色々グッとまとめられて、大変力のある方だと私は思ってますけども。その、個人でなにか突然力を持ったりすることは必ずないんで、背景があるわけですから。私はやっぱり歴代の都政の構造とか、歴代の知事に色んなこの問題の原因があるんじゃないかと思います」