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第六〇八回('16年7月24日 放送)
 「参院選の後」で。「首都決戦投票」あと1週間

ゲスト: 丹羽宇一郎 氏/北川正恭 氏

御厨

「(候補者討論会で)小池さんの発言を巡って鳥越氏が抗議し、小池氏が謝罪ということですが。北川さん、どうご覧になります」

北川

「選挙の勢いでこういうことはあることですけども、候補者同士がっていうのはちょっとレベルが低いなと。それはひとつ思います。応援者がですね、好き勝手言うというのは良くあることですけども。この議論はこの議論としてですね。私は今回の戦いの一つはですね、保守が分裂したというのは、少し言い過ぎかもしれませんけども、石破さんと菅さん安倍さんのですね、この戦いの結果がこういうことになって、そして小池さんが出されて、増田さんが公認と。そういう流れが少し色濃く出てきてると思いますね。

それでそれに対して野党4党が本当に結束してやろうというようなことで、週刊誌の問題なんかも出てですね、これから最終盤でね、私は都知事選挙が少し落ち着いた政策論争になって欲しいと思うんです。

例えば東京オリンピックという大課題があるわけですけども、それに備えての、いわゆる直下型地震の安全対策と、50年前の、我々学生だったんですけども。東京オリンピックは、成長の、平和のシンボルという高らかなコンセプトがあったと思う。

今回そのことが三候補からあまり語られてなくてですね、安全ないわゆるセキュリティーですね。これがひとつと、もうひとつは今度は成長ではなしに成熟した都市国家を見事に作るオリンピックにして、そしてオリンピック前とオリンピック中と、オリンピックが終わった後の東京をどのようにするかというのは、日本国内の問題もそうですけど、世界に発信する、そういったことを最終盤で三候補が激しくテレビ討論なんかを通じて議論して欲しいなと思いますけどね」

御厨

「丹羽さんいかがですか」

丹羽

「私はね、東京都知事選がなぜね、50年前に比べて注目されてるかということをね、今一度、候補者の皆さんにやって頂きたいと思うのはね、やはり東京都っていうのは、世界195か国のうちの人口1300万というのは大体70位か80位くらいにあるんですよ。だから国で見ても世界中で70〜80番目くらいの大きさなんです。GDPで言うとね、地域別でみるとインドネシアぐらいなの。ということはね、インドネシアくらいの、人口別にしても大きな経済圏を取り仕切るわけでしょ。

そうすると世界の70〜80番目というと何が起きるかっていうと、大体は大臣がいるんですよ。モノを取り仕切る。ところが今度、東京都知事は昔からずっと落下傘のように降り立つ。自分を支えるスタッフは全部知らない人がやるわけです。こんなことで都の行政が出来るわけがないんですよ。

だからまずね、自分のスタッフをどういう人を持つか、大臣クラスの局長、副知事。せめて副知事はね、4〜5人、自分が連れて行くべきだね。自分の部下として自分の意思を反映するようなことを彼らにやらせる必要がある。ガバナンスですよ。それがない限り、今までと同じ知事選をやってですよ、今までと同じ人事をやったらね、また失敗しますよ。

ということをね、是非考えて、国民の生活とか社会保障とか自然災害の問題とか。これだけの都市に人口が集中してる時にね、そういう大きなテーマについて知事はしゃべるべきですね。自然災害とか社会保障の問題、将来の生活の安定ということにね、ほとんどしゃべってない。これは大きな問題ですね。だからこの一週間で是非それをね、都民に言って欲しいですね」