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第六〇四回('16年6月26日 放送)
 「突入参院選!都知事選!」
 ゲスト: 武村正義 氏 / 丹羽宇一郎 氏

御厨

「さあ、丹羽さん。今回のイギリスのEU離脱です。まずは経済的に大打撃を受けるとされながら、なんでこういう結果になったのか。どうご覧になります」

丹羽

「かなり海外の投資家といいますかね、スペキュレーターと言われる投機の方々が入り込んでると思うんですね。実体経済を動かしてる方だけでですね、発表直後の大きな変動がこれからも続くということはないと思うんです。金曜日に発表された後の動きというのはね、やはり狼狽売りというものがあると思うんですよ。この週末がありましたからね、当然の事ながら少し冷静に落ち着いて、月曜日からマーケットが反応してくるだろうと。したがいましてね、今回の動きはですね、イギリスにしてみますとね、やはり若手が残留。要するにもっとグローバリゼーションの窓を開いて、それで、お年寄りの方が、我々がせっかく作った美しきイギリスの社会をね、移民がたくさん入ってきてかなり乱れてきている、ということで離脱。そういう図式が出来ているわけですね。したがってそれが、これからの経済にどのような影響を与えるかということは、2年間ありますから。2年間かけて色んな調整をしていくと思うんですよ。月曜日から一気に、一日二日で良いも悪いも全部マーケットに出てくるということはないと思います。したがってもう少し日本人として、日本国としてはね、冷静に見て対応する時間が十分あると思いますから。先週末の直後のようにね、そう慌てふためいて狼狽する事はない。こういう時こそ落ち着いて、よく見なさいということですね」

御厨

「さあ、武村さんはどうご覧になってますか」

武村

「私も離脱という結果はびっくりしました。ヨーロッパのイギリスという島国の出来事というよりは、なんとなく最近世界中にですね、グローバリズムに対する疲れというのかですね。そもそも垣根を低くしてもっと自由に往来していこうというのがグローバリズムですが、その事にちょっと嫌気がさしてきたような雰囲気が世界中にあるんではないか。なんとなく愛国心に訴える政治が各国で起こっている。内向きの主張が目立ってきている世界。トランプさんなんかもそうだし、習近平さんなんやプーチンさんの主張も、なんとなく強い中国、強いロシアなんてこと言ってますからね。そういう流れの中でこのイギリスの離脱というものを捉えると、世界全体にそういう動きが火が付くと困るなと。日本のように自由貿易で生きてきた国だけにですね、困るなと。単純にそういう心配をします」