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第五九五回('16年4月24日 放送)
 「迫る『選挙』の中で…」
 ゲスト: ジェラルド・カーティス 氏 / 丹羽宇一郎 氏

御厨

「今回の地震、震度7が2回も続いたと。その後も体に感じる地震が止まらないというわけですね。これ、前例がないということなんですが、丹羽さん、どういうふうにご覧になってます」

丹羽

「9万人の避難者の方々が大変ご不便な生活を1週間続けておられるし、この余震が終わらない限り、本当に様々なご不便をね、それ相応に対応が出来てないんじゃないかと。大変難しいですよね。本当にやるせない気持ちで我々もいるわけですね。私はこの今度の熊本地震につきましてはね、人間の力っていうのの限界と言いますかね、やはりなかなか自然をコントロールするという力は人間にはない、ということをつくづく感じましたね。政府も自治体も我々も、そういうつもりで自分なりに備えていかないといけないんじゃないかと。これが大きな教訓だというふうに思いました」

御厨

「東日本大震災が起きて、福島などでの仮設住宅の方が残る中で、さらに九州でのこの大地震が起こったわけですが。カーティスさんはどうご覧になってます」

カーティス

「テレビ見てますとね、信じられないような風景ですよね。あんなに家が壊れて、10万人近くの方々が避難所で過ごさなければならなくて。自分の車の中で、避難所に入れない、あるいは入りたくない、あるいは入りたくても入れない。それで車の中で寝て病気になって、エコノミークラス症候群で亡くなる。こういう酷い状況を見てますとね、まず外国人から見ると、やっぱり日本は地震国。この国はいつ、どこで地震が起こってもおかしくない。起こると信じられないようなパワーが自然にあると。ですからですね、今、丹羽さんおっしゃったように、人間は自然をコントロール出来ないから、自然に対して謙虚になってね、自然に対して逆らうようなことしないように。だから、ひとつは考えなければならないと思うのはね、今度たぶん2つの活断層が問題だったでしょう。だから断層がどこにあって、いつ何が起こるかということを考えなきゃならない国はね、やっぱり原子力発電所のことを非常に慎重に考えて、本当に大丈夫かどうか、再度検討してやらないと大変なことになりかねない。そういう気持ちがありますね」

丹羽

「原発のあるところ、特に関西あるいは北陸の西の方ですね。これは本当に活断層多いですね、地図を見てますと。これはやはり本当に、さっきおっしゃるように慎重にね、原発問題を考えなきゃいけませんね。それからやはり一番の教訓はね、やっぱり自分の身は自分で守るしかないということです。いざとなると。とてもひとりひとりのご不便に対応できるだけの余裕が、今回もそうですけど、どこで何が起きるか分からないわけでしてね。だから、それは我々、日本国民全員の大きな教訓だと思うんです。やはり、政府も一生懸命やって頂いてるけどね、とても全部には対応できないですね」