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第五九三回('16年4月3日 放送)
 「選挙を控えて」
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「一人当たりの保育士が見る園児の数の枠を広げるといった今回の緊急対策なんですけども、増田さんどうでしょう。肝心の保育士さんは人手不足のままということなんですけども」

増田

「ですから、今回の対策ね、今年の4月から予定してる人達の悲鳴が上がってますから。まずやっぱりやれることをやるという意味で、小規模保育所を19人から22人でしたか、増やすと。それはそれで当面、緊急策として時間を限っては許されるかもしれない。ただ、ご両親にとって見ればね、保育の質が下がるんじゃないかと。子ども達いっぱい面倒見なきゃいけない、そういうご心配もあるんで。やるんであれば、限られた間の暫定的な政策ということでね。やっぱり処遇の問題、これは実は介護士もおんなじ問題があるんですが、そういう部分にきちんと処遇の問題に切り込まないといけないなと思いますね」

御厨

「なるほど。藤井さんね、野党は保育士さんの給料が低いということで、その引き上げを求めていますけど。それはどうでしょう」

藤井

「それでね、5万円とかなんとかって話がありますけど、その積算はよく知りません。知りませんが、やはりね、処遇が悪いんですよね。ですから有効求人倍率がものすごく高いんでしょ。要するに希望者の方が少ないわけですね。これは今もおっしゃったように、介護にそれが大きいんで。この問題は社会保障の非常に大きな問題だと私は思っております」

御厨

「さあ、そしてこの保育園問題ではですね、母親が子どもの面倒を見るべきだという意見もなおも残っているわけですね。増田さん、これまでの取り組みをどうご覧になります」

増田

ここはね、いわゆる専業主婦とかね、日本の家族観というか家庭のあり方が問われていてですね。今まで保育所問題に熱心じゃなかったっていうのもね、専業主婦が、家で、親が面倒見るべきだ、という考え方が相当に強かったんだと思うんですよ。今はもうやはり共稼ぎでね、やっぱり社会に出て働く、それが当然の当たり前の姿になると思うんですよ。ですからこういう問題についてですね、家庭がどうのじゃなくて、やっぱり社会とかね、あるいは政府がきちんとしてこういう問題に乗り込んでいく。そういうことが必要じゃないかなと思いますね」

御厨

「藤井さんどうですか」

藤井

「私は今の聞いていてね、佐藤栄作さんの時を思い出すんですよ。佐藤さんはね、今と同じ意見なんです。つまりね、保育所なんて増やすのはおかしいと。家庭でやるべきだということを言って、だいぶ他から叩かれてました。ですがですね、私は今の政府でもね、女性がもっと働きに出て下さいって言ってるんでしょ。それがどうしてこういう保育問題についてはあまり熱心じゃないのかなという感じも持ってますね」