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第五七九回('15年12月27日 放送)
 「2015年 今年の重大ニュース」
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 半藤一利 氏

御厨

「それでは、半藤さんの今年の重大ニュース第2位は何なんでしょうか」

出水

「半藤さんの2位はこちらです。『安保関連法成立とシールズの反対』です」

御厨

「その時の報道がこちらです。思い出して頂きたいと思いますが、『安保法成立 集団的自衛権行使可能に 未明自公など賛成多数 国会前夜を徹して抗議』とあります。さあ、半藤さん、これを選ばれた理由をご説明下さい」

半藤

「これ、本当に安倍内閣がやった安保法の成立までのやり方というのは、あまりにも法を無視した暴挙といいますか、内閣がやっていることですから、こんなに法を無視して成立させるというのはですね、本当に私は唖然としました。正直に言いまして。

それでそれきりスッとやめちゃいましたよね。臨時国会も開かない。通したらお仕舞いという事ではないんですよね、関連法ですから。これから周辺事態法とかですね、自衛隊法とか、たくさんの問題を抱えていながら、なんにもやろうとしないと。これもまた法の無視じゃないだろうかと私は思いましてね。

それに対して、シールズといいますか、私たちは藤井先生もそうですけど、60年安保とか70年安保ってのを経験してるわけですよね。経験というか、私はその時もうマスコミでジャーナリストになってましたけど。あの時は、組織とか党とか、そういうものの動員ですよね。ところが今度は違うんですよ、これね。これは、やっぱり戦争を知らないお母さんとか、高校生とか、もちろん大学生もいますけど。若い人が、戦争を知らない人達が新しい民主主義のために立ち上がったんだと。新しい日本の民主主義をもういっぺん作り直すために立ち上がったんだと。そう思いますとね、今度の反対のデモは、あれは私は非常に大きく評価するんですね。

じゃあなぜ2位なのかというと、やっぱりISのほうが大きいかなと思って2位なんですけども。1位にしても良いんですけども、まあそのくらいに私は今度のシールズですか、あの人達の自発的な反対のデモと言いますか、主張を非常に貴重なものと受け止めました」

御厨

「なるほど。さあ、そして藤井さんの1位も・・・」

出水

「はい、藤井さんの1位、こちらです。『日米軍事同盟を是とする安全保障関連法の成立』です」

御厨

「さあ藤井さん、これを挙げた理由は何でしょうか」

藤井

「まずこれ、半藤さんが言われたのと同じなんですけどね。私、日米安保の時、岸内閣の一番下っ端にいたんですよね。それでね、その時はね、はっきり言えば全学連が中心になってたんですね。今はね、もう半藤さんがおっしゃった通りなんですよ。一般の人が、普通の奥さんが赤ん坊を抱いて来てるんですよ。根深いです。それからさっきお話し出たように全国各地で広がってる。私はずっと根深いと思っております」