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第五七六回('15年12月6日 放送)
 「突入『師走』」
 ゲスト: 増田寛也 氏 / 丹羽宇一郎 氏

御厨

「さあ、こちらは元商社社長で相場に詳しい丹羽さんからお聞きしましょう。7兆円を超える損が、一時とはいえ出たということですよね。国民が積み立てている年金の基金なんですけども。これどうお考えでしょう」

丹羽

「やっぱりね、これは私はある意味では当然だと思ってたんですよ。要するに相場というのは非常にリスクが高い。大損のリスクもあるけど、大儲けのリスクもあるだろうと。

しかしながら本当にね、どなたがやっておられるか知りませんけどね、これからもね、あまり成功しないと思いますね。この相場というものにですね、これは大儲けを考えるというよりも、元金を減らさないようにある程度しなきゃいけないということなんですね。そういう目的にあってやらないと。これは長い目で見てもですね、トントンでいけば良いとこじゃないですか。

大体プロはですね、私の長い間の経験から言いますとね、年に数回しかこういう株ってものについても勝負はしません。アマチュアで損する人に限って毎日のようにね、売ったり買ったりするんです。したがって私の経験から言っても本当のプロは遊んでるように見えるけども、年に数回ですね、これは買い時だ、これは売り時だとしてやるんですよ。

今回もですね、7兆8000、まあ長い目で見てもっと損するんじゃないですか。だから安定した運用をするためにはどうするかという視点をもってね、おやりにならないと、ここで稼ごうとか損を取り返そうということをすると、かえって穴を大きくすると思いますね」

御厨

「どうでしょう増田さん。これ結局、ものは7兆円を超える損が出たということですけど、何よりこの7兆円という金額に驚かされますけどね」

増田

「全体の運用資産がものすごく巨額なんですよね。かつては国債で運用するとかですね、決まった形だったんですが。出来ればもっと資産の運用を幅を広くしていこうということで、あちこちの公的な年金基金とか様々なもので、例えば日本郵政だって運用の幅を今、広くするようにしてきてますよね。

私は額の割にGPIFはですね、運用する専門家の数が少ないと従来から言われてましたよね、目利きというんですかね。だから上限一応25%という上限を設けてるんで、もうこれ以上は増やさないんでしょうけども。

今、丹羽さんがおっしゃった大儲けをそれで期待するということはあり得ないんでですね、絶対に減らしちゃダメだし。それから少しずつでも全体としては安定的に年金の支払いに支障ないようにってことでしょうけど。基本的には向こうの言い分とすれば、長期で見ていくもので後でかなりの部分取り戻してるということで、確かに短期であまりにも短い期間で評価すべきではないんですが、ただやっぱり大事な年金の元手ですから。少しでも安定的に運用するってことで、体制をもっともっと強化することは必要じゃないかと思いますね」