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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五六九回('15年10月18日 放送)
 「これでいいのか」
 ゲスト: 武村正義 氏 / 浜矩子 氏

御厨

「浜さん。政府の月例報告です。景気の判断を示す現状判断をですね、「一部に弱さも見られる」と1年ぶりに下方修正しました。なぜか景気の中長期的な傾向を示す基調は「緩やかな回復基調が続いている」と表現を変えていません。これどうご覧になります」

「まあ、これはよくやる手であって。足元が悪い、足元について悪いという判断を示さざるを得ない時は必ず先行きはOKと言う、というのがこの手のものの正直に言ってない時の常套手段でございますので。やっぱりこれも、まともにこの問題と向き合おうとしてないと必ずそういう言い方になると。この点について言えばそういう問題ですね。本当にそこを、まともにどうなっちゃってるんだろうと思って、今の状況をしっかり状況分析しようとしている政策担当者達であれば、そういう帳消しでゼロです、みたいな言い方にはならないと思いますけども。相当そういうところのまともさの欠如が表れていると」

御厨

「武村さんね、加藤大臣の説明では、第1の矢での成長のお金で、第2の矢の希望出生率1.8、第3の矢の介護離職ゼロにそれを回して、その安心や将来の見通しで経済にもプラスという話なんですが。そう上手く回るんでしょうか」

武村

「なんか話が甘いし、軽々しいですね。第1の、最初の3本の矢もね、株と円高は一定成果がありましたが、一番大事な成長戦略、3本目の矢はまだ何も実績が上がってないと言って良いくらいの状況でね。それでまた新しい3本の矢ということで。見てると夢とか希望とか安心とか、綺麗な言葉がずらっと並んでるし。そこへ600兆円という大きな数字も出ました。この20年間、我が国の経済は3%成長した年は一回もないんですよ。そんな厳しい状況なのにね、これから3%成長がずっと続いて、そして600兆円になるなんていうそんな甘い見通しを、いきなり持ち出されても信じられない。なんか言葉が軽いなという印象ですね」