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第五六八回('15年10月11日 放送)
 「『内閣改造』を受けて、これからどうする」
 ゲスト: 石破茂 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「さあ石破さん。大臣をしながらポスト安倍をどうやって実現するのか。閣内にずっといると対立軸を作れないから難しいんではないかという見方もありますが、この点いかがでしょう」

石破

「私が高校生の頃、佐藤政権が終わりの頃ですよね。あの時に田中角栄先生が通産大臣やっておられたですね。福田赳夫先生は外務大臣でしたよね。あるいは鈴木善幸総理の時に中曽根先生が行政管理庁長官やっておられましたね。皆さん私より遥かに立派な方だが、幹事長や政調会長、主要閣僚みんなやられた方々でしたよね。そのポストってのは、個人のためにあるもんじゃないんで、国家国民のためにあるものだと私は思うんですね。地方創生って取り組みはどうしても道筋付けたいってことはありました。もうひとつは、閣僚を続けながらってことなんですけれど、今の閣内も政策集団の長ってのは何人かいらっしゃいますですよね。ですから、それは別に相対立する、相矛盾する概念ではない。やらなければいけない事は、自分がどれだけ国民のために仕事ができるかしらってことだけが問われているのであって、あとの事は考えても仕方ないですね」

御厨

「なるほど。さあ、増田さんはこれ、どうご覧になります」

増田

「以前の中選挙区の時はね、否応無しに派閥が出来るわけですよ。当然同じ自民党の中の争いになりますから。逆にね、小選挙区になるとね、派閥ってのが出来辛くなるんですが。そうすると失礼ながら派閥が持っていた政治家を鍛えるっていうんですかね、そこで切磋琢磨して最終的に政治家がドンドンとですね、その派閥の中で色々養成されていったり、最後は総理候補っていうのが段々領袖として絞られていくという過程が、非常に見えにくくなっているというところがあるんで。私はその政治改革の流れと逆行するとご批判頂くかもしれませんけども、この小選挙区の時こそ派閥っていうのがですね、こういうふうな格好であっても良いし、それは昔の派閥に戻るのではなくて、出来上がるのは政策集団になるわけだから。そういう意味で政策を磨くと言うのはね、磨く場が今なくなってきているから必要じゃないかとは思いますけどね」

御厨

「石破さんね、現在20人ですよね。これは当然増やしていかれるおつもりだろうと思いますが。どんな事を旗に増やしていかれるおつもりですか」

石破

「やはりね、政策なんだと思うんですよ。私は議員を30年近くやらせて頂いてですね、自民党では政調の副会長とか、主に政調畑でやってきましたが。どうしても、次の選挙、来年の予算、今度の税制改正ってことで、政権をお預かりしていると、直近の事を考えるんですよね。そうすると、政権を失ったらもう元も子もないわけで。失礼だけど民主党に政権が行っちゃった事でかなり日本ってのは混乱したわけですよね。あんな事しちゃいけないから、選挙には勝たなきゃいけません。でも選挙に勝つという事が至上の命題になって、とにかく国民が嫌がらない事、喜んで聞いて下さる事、というものを並べてしまうと、結果、国の将来が危うくなるってことですよね。そうすると、本当はこれ言わなきゃいけないんだよね、エネルギーの問題でもそうですよ、米の問題でもそうですよ。あるいは安全保障の問題でもそうですよ。本当に国民に万来の拍手をもって迎えては頂けないんだけど、国家のために必要な事ってなんですかってことを、じっくりと落ち着いて考えると同時に、それをご納得頂くための、納得と共感を持って頂くための行動ってしなきゃいけない。そういうものでありたいですね」