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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五六六回('15年9月27日 放送)
 「『採決強行』の後で…」
 ゲスト: 片山善博 氏 / 浜矩子 氏

御厨

「さあ、このマイナンバー。メリット、デメリットどちらもあると思うんですが。片山さん、どうでしょう」

片山

「メリットはね、確かにあると思います。それは国民にも勿論ないわけじゃありませんけども、もっぱら国とか自治体の側に、色んな制度を所管しているところには大きなメリットがあると思いますね。それが国民の皆さんにとっても上手く運用されれば、経費の節減とかですね、徴税能力の向上とか、それで良い面もあるとは思いますが。ただですね、これはよほど気をつけなきゃいけませんのは、ふたつ問題があって、ひとつは国民の側にちゃんと正にマイナンバーとしてそれを保持して駆使するだけのトレーニングが出来るかどうか。これ、今の日本の国の中でこれを自分のものとして本当に使い切る人が、一体どれほどの割合であるかというと、なかなかちょっと疑問なんですよね。もうひとつ、役所の方がこれをちゃんと誠実に運用するだけの能力があるかどうか。これは社会保険庁といいますか、年金の問題見ましてもね、いささか疑わしい面がありますよね。ですから、よほどこれは慎重に少しずつ少しずつ慣らしていくっていうことが必要だと思いますね」

御厨

「浜さんいかがです」

「これもやっぱり誰のため、何のため、誰にとって良かれと思ってやっているかというところがやはり基本ですよね。そこが本当に国民のため、国民にとって利便性が高まる、それこそ福祉のレベルも高まっていくということのためにやろうとしているのであれば勿論そこからメリットが発生するわけですけれども。どんな制度的なメリットがあるにせよ、それは運用する人たちの魂胆がよからぬものであれば、それは非常にひたすら国民にとってデメリットになるので。何のためにやろうとしているか、っていうことがポイントですよね。そことの関わりで、この軽減税率。面倒くさいからマイナンバーでやれとかいう話になると、その魂胆が見えてくるわけですね。面倒くさいとは何たる言い草であるかと。いかに自分達が何のためにいるのかということがわかっていないかというのが、本当に今日、全テーマを通じて非常に赤裸々になってきてしまっているという事だと思いますね」