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第五五八回('15年7月26日 放送)
 「これからどうする」
 ゲスト: 石破茂 氏 / 前原誠司 氏

御厨

「さあ、これは八ッ場ダムの工事を止めようとした前原さんからお聞きしましょう。誰も責任を取らないこの状況を前原さんはどうご覧になりますか。すでに支払った60億円は回収出来ないというんです」

前原

「我々が公共事業の見直しをして、3年間の民主党政権で32%の公共事業を減らしたんですね。その大きなひとつは、作ったら終わりじゃないんです。作ったら維持管理にお金がかかるということで、より費用が膨らむと。で、この2520億円で作った場合、ある専門家の方に伺ったんですが、年間おそらく70億円くらいの維持管理費がかかると。そして同時に、50年くらい経つと全て更新をしなきゃいけない。そうすると作ったお金の1、5倍くらいかかるんじゃないか、という事なんですね。したがって、作ったら終わりではなくて、我々これ民主党政権の時に最後は決めたんですけど、1300億円ですよ。これでスタートしようとしていたし、全体も7000億円程度だったのが、2兆円規模になるということは、この新国立競技場のみならずですね、ひとつひとつ洗い直して本当に圧縮する努力をしていかないと。作ったらそれで終わりではなくて、ずっと血税を垂れ流し続けると、こういう事ですので。これはかなり深刻な問題として受け止めた方が良いと私は思いますね」

御厨

「前原さん今こうおっしゃいましたけど、石破さんどうですか」

石破

「そういう事に真摯に耳を傾ける誠実さが、我々政府には求められているって事だと思うんですね。だからね、考えてみれば北京オリンピックであの鳥の巣ってのがありましたですね、ソウルオリンピックでも非常にユニークな形の競技場があったですけどね、で、その後なかなか使われていないという状況もある。やはり私たちは、白紙にせっかく総理の決断で戻したわけですから、どうすれば最も国民の税金の使い道として有効なのか、納税者の納得が得られるのか、これから先スポーツ大会だけじゃなくコンサートもやりますよという事であれば、それはどのくらいの頻度で開催されて、どれくらい売り上げがあがるのかとかね。そういう事を、せっかく白紙に戻したんですから、国民の方々に理解して頂ける努力ってのは、本当に一生懸命やっていかなければなりません。それは責任追及っていうのもそうだし、私みたいに、部外者というか担当外ですから、何がどうなっているかわからない人間が軽々なことを言ってはいけませんが、どうしてこんなことになっちゃったの、ということも、当然納税者の方々に明らかにしなきゃいかん。と同時に、間に合わせなきゃいかんわけですからね。なんせ2020年といったらすぐですから、まず間に合わせる。そして、どうしてこんな事になったのか、税金の使い方として正しいのか。もう一度私たちは真摯に国民に向き合うという事を肝に銘じなきゃいかんという事だと思います」