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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第五五一回('15年6月7日 放送)
 「『戦後70年』に・・・」
 ゲスト: 二階俊博 氏 / ジェラルド・カーティス 氏

御厨

「さあ、まずは中国がなぜここまで軍備を増強するのかという問題です。どうでしょう」

二階

「これは本心のところは中国に聞いてみなきゃ分かりませんがね、やっぱりこういう事があるから、首脳会談って必要なんです。トップ同士が話し合ってね、あんたのとこにも生活困窮の人も住宅がない人もまだまだ沢山いるだろうと。軍備費用をそっちの方に回されたらどうですかと。日本だってそれは協力しますよ、それならばね。というような話し合いはトップ同士なら話し出来るはずですよ。

それを長いことね、一年も二年もね、そういう事があるのかないのか、どこかですれ違った時に話しするとか、そんなもんじゃないでしょ。腰を据えてね、度胸良く話しをしなきゃダメですよ。

私も習近平さんとお会いしてみましたけど、私は情理を尽くせば、話しをすれば分かる人だと。流石、という思いはありますよ。やっぱりあんな人、話したってダメだよという、そんな人じゃないですね。私は彼の出身校、大学へも行かしてもらって、講演もさせてもらったんですけど、やっぱり立派な学生が大勢おりまして、日本好きというのもいっぱいおりますよ」

御厨

「カーティスさんいかがですか、この点は」

カーティス

「南シナ海の件は、非常に気になるというか、懸念してますね。ですから、まあ中国は戦争を望んでるわけじゃないけどね。誤解があったりね、ミスカルキュレーションいうのがあって戦争になるもんだから。

今言われたように、まず首脳同士で良く話し合う事。それとやっぱり、今中国見てますとね、日米同盟非常に強いから東シナ海でトラブル起こしたら、これアメリカとえらい事になるという気持ちあるんだけど。南シナ海の方はどこまでアメリカは対抗してくるか、今、試してるんですよね。

ですから、これでアメリカは今、反対の事を言ってますけど、もうちょっとね、強い立場とらないと、やっぱり中国は段々拡大していく。特にね、この島の埋め立てやってるでしょ、それが軍事基地を作るんですよ。既に長い滑走路作ってあるから。そうしたら南シナ海のフィリピンとかベトナムとかマレーシア、あの周りの国々との関係が非常に緊張していきますよね。ですから中国もうちょっとね、慎重にしてもらわないと大変な事態になりかねないので。今アメリカでは中国に対しての警戒心は非常に強まっているんですね」

御厨

「そういう状況なんですね。二階さんどうでしょう。この地域での不測の事態が心配されるかもしれませんが。その点は」

二階

「不測の事態というのはあってはならないことですけどね。不測の事態は文字通り不測の事態ですから、これは火遊びみたいな事してるとね、しまいにパッと火が立たないとも限らない。だからこういうことは早くやめるように。

しかも無駄な事なんですよ。本当によくよく考えたら戦争ほど無駄な事はないよね。何を始末する、何を控えるって戦争を控えればだいぶ皆豊かになるんですよ。道路作るの大変だなんて言うけど、あんなの戦争やめてやれば簡単な事ですよ。

だけどそこの知恵がね、賢い人達同士なのにいかない。そこにまあ人間の感情というかね、国の感情が交じってきますから、引けなくなっちゃうんだけど。私はこういう事のために、やっぱり交流しなきゃいけない。例えば中国の大使と、中国の外務大臣と、日本の大使および日本の外務大臣。これ何回話し合ってるかって、私はね、毎日行って話し合ったって良っていうくらい、これ重大な問題ですよ。

これを陰で色んな事を言ってるだけでね、正面切ってピシッと日本の主張を言わなきゃいけないですよ。で、日本がそこはまずいじゃないかって言われたら、その時に考えれば良いんでね、だからもっと堂々たる外交が必要だというふうに思うんですね」