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第五三六回('15年2月15日 放送)
 「スタート新年度予算案審議」
 ゲスト: 野中広務 氏 / 古賀誠 氏

御厨

「ODAがこれまで原則禁じてきた他の国の軍隊への支援を、非軍事的分野に限ってできるようにするという、他国軍への支援を可能にする路線転換という事ですが、野中さんはズバリこれをどうご覧になりますか」

野中

「この間のやはり中東における支援を正当化するという、そういう事に結びつけるという事になると思いますし。ミャンマーやあるいはベトナムに従来よりも多くのODAを供与しておるというのは、中国に対して牽制をするためではないかというように私は理解をしておりますので。こういう支援のやり方は今までとは全く異なることですから、十二分にも慎重に慎重に、日本の平和にどう寄与するか、その国の経済支援に貢献していくかということを中心にして、非軍事的援助とは言いながらも、それが先方で軍事的に使われても何も言えないような、このたびの取り扱いと言うのは、私はこれからの平和に繋がっていかないと心配しております」

御厨

「古賀さんいかがですか」

古賀

「このODAの大綱というのは、1992年宮澤内閣で実は初めて出来たもので。これが宏池会の今の会長の岸田さんが外務大臣で、何か不思議な縁を覚えるんですけれでど。どうも軍事的な支援というのが必要以上に突出して報道されているんではないかという心配がひとつあります。もうひとつはですね、やはり我が国の平和外交というのは安全保障政策、それとこのODA、車の両輪でやってきたんですね。非常に私は世界の平和、また世界の低所得国に対しての経済発展。それなりの私は役割を果たしてきたと」

「だけど今、安全保障それから防衛大綱、色々心配な中でこのODAというのがまた大綱が改定される。特に軍事支援というのが出てくる、今そういう難しい不安、心配の点がクローズアップされてきてるんですから。今も野中先生がおっしゃって頂いたように慎重な上にもしっかりした議論をやっていく。あくまでも平和外交の車の両輪で、ODAの役割は何を求めているのかということをですね、国民に議論の中で説明ができると。慎重の上にも慎重であるべきだと、岸田会長にも是非私はそれをお願いしたいと思いますね」